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3. ジェネリック医薬品の承認申請

ジェネリック医薬品の承認申請は通常、「規格及び試験方法」、「安定性試験」、「生物学的同等性試験」の3つの資料と添付文書記載事項(添付文書案)の提出によって審査されます。

医薬品の申請資料

○:添付×:添付不要△:個々の医薬品により判断される

先発医薬品と比較してジェネリック医薬品の承認申請資料が少なくてすむのは、有効成分に関する有効性・安全性はすでに先発医薬品において確認されている(毒性試験、薬理試験、臨床試験等)ため、同一の有効成分を使用するジェネリック医薬品ではそれらの試験の必要がないからです。
この考え方は、FDA(アメリカ食品医薬品局)、EMA(欧州医薬品庁)等世界共通です。
ジェネリック医薬品の実施試験が少ないからといって、先発医薬品と比べて有効性、安全性、品質が劣ることは決してありません。

(1)規格及び試験方法

原薬及び製剤の規格及び試験方法(性状、確認試験、純度試験、溶出試験、含量試験等)における基準は、先発医薬品、ジェネリック医薬品において同様であり、国の厳格な審査を受けて承認されます。また、ジェネリック医薬品の承認審査においては、原薬と製剤両方に対して、対照となる先発医薬品と同等またはそれ以上の規格設定が承認の条件となっています。

(2)安定性試験

医薬品の市場流通期間中の品質を保証するため、安定性試験を実施しています。承認申請時に実施する加速試験(通常40℃±2℃ 75%RH±5%RH、6ヶ月)の他、長期保存試験(通常25℃±2℃、60%RH±5%RH)も実施し、有効期間内の品質に問題の無いことが確認されています。また、医療機関での使用時の品質を保証するために無包装状態下における安定性試験等を実施し、使用状況下での情報が提供されています。

(3)生物学的同等性試験

ジェネリック医薬品は対照となる先発医薬品と生物学的に同等であることをもって承認されます。生物学的同等性が実証できれば、改めて臨床試験を行うことなく、両医薬品の臨床における有効性と安全性の同等性が担保されます。
生物学的に同等とは、ジェネリック医薬品と先発医薬品のバイオアベイラビリティ(生物学的利用能:薬物が血管外投与部位から全身循環血中に入る速度と量)が同等であることをいい、ジェネリック医薬品と先発医薬品を個々に投与したときの、最高血中濃度(Cmax)、血中濃度時間曲線下面積(AUC)等を比較することにより、統計的に同等であるか否かを評価します。
生物学的同等性の評価方法は「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」に定められており、ガイドラインに定められた試験方法や基準は最新の科学的知見に基づく世界標準の考え方です。

生物学的同等性の試験方法

ジェネリック医薬品(試験製剤)と先発医薬品(標準製剤)を用いて、原則としてクロスオーバー法で、健康成人を対象に臨床常用量を投与し、その薬物(有効成分)の血中濃度の時間推移を測定します。

クロスオーバー法とは

クロスオーバー法とは、同一被験者が一定期間を空け、先発医薬品とジェネリック医薬品をそれぞれ交互に服用する試験方法です。

生物学的同等性の評価方法

生物学的同等性試験の評価は、試験によって得られたデータを統計的に解析して行います。CmaxとAUCを主なパラメーターとし、最高血中濃度到達時間(tmax)や血中濃度半減期(t1/2)などは参考パラメーターとして用います。

作用発現時間の差が臨床的有用性に影響を与える可能性がある場合にはtmaxもCmax、AUCとともに生物学的同等性試験の判定パラメーターとなることがあります。

有効成分の血中動態の測定

Cmax:最高血中濃度(maximum drug concentration)

生体内に投与された薬物の血中濃度の最高値。

AUC:血中薬物濃度一時間曲線下面積(area under the blood concentration time curve)

生体内に投与された薬物の血中濃度を経時的に表したグラフの曲線と時間軸によって囲まれた部分の面積。薬物のバイオアベイラビリティやクリアランスの指標となる。

t max:最高血中濃度到達時間(maximum drug concentration time)

生体内に投与された薬物が最高血中濃度(Cmax)に達するまでの時間。

t 1/2:血中濃度半減期

生体内に投与された薬物の血中濃度が半減するまでの時間。