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月刊JGAニュース

賛助会員から  

株式会社畑鐵工所

 GE薬協会員の皆さま、こんにちは。賛助会員の株式会社畑鐵工所です。

はじめに、コロナウイルス感染拡大に伴う世界的な自粛期間も一旦収束に向かいつつありますが、これもひとえに医療従事者の皆様方、積極的な自粛活動を遂行した国民の皆様のおかげと深く感謝申し上げます。また、現在に至るまでには、かつてないほどの大勢の方々が尊い犠牲にあわれたことも忘れることなく、命を守る行動を付加した、新しい様式での経済活動の活性化に貢献して参ります。
 さて、昨今の医薬品製造を取り巻く環境として、かつては花形と呼ばれていた固形製剤も再生医療を皮切りにバイオ製剤など液薬へのシフトを受け、少し低迷しているように感じられ、その影響は当社だけでなく、業界全体がかつての賑わいを取り戻すために、苦慮しているように思われます。
 そのような中で、弊社に課せられた使命について、かつての賑わいを取り戻すという目標を掲げました。封じ込め設備の開発や、AI・IoTといった最新の技術に加えデータインテグリティなどの課題に対応した機能・制御・システムの研究開発を続け、昨年においては目的の異なる最新型打錠機2機種を発表。本年度は自社評価テストで得た技術など、満を持して積極的に発信し、1924年の創業以来、90有余年歩んできた経験をもとに「打錠機のHATA」と呼ばれる高い評価を維持するべく日々邁進し、この場をお借りし、最新型打錠機2機種の概要をご紹介いたします。

●新世代モデル NEO・TABTRAN
 TABTRANの語源は、TABLET(錠剤)にTRANSFORM(変形)するという意味を持ち、粉体から錠剤へと変形する様をネーミングし、NEO(新しい)時代を切り開くという思いを込めた打錠機です。また、TRANSFORMという言葉から連想するように、かつてのステンレス鋼に身を包んだ重厚感あふれたデザインから変形し、近未来的なフォルムをまとったデザインを採用したことで、医薬品製造現場の雰囲気が一変するものと期待しています。
 打錠機の要となる筐体は、錠剤成形時に発生する圧縮力を効率よく受け止めることができる≪Ω(オメガ)フレーム≫を新たに採用。高剛性、低振動、低騒音に大きく貢献しています。また、パワーユニットを大きくしたことにより、パワフル且つ安定した打錠を長時間維持することが出来ます。そしてNEO・TABTRANは高い生産能力だけでなく、切換時の清掃性、分解時の操作性の向上を実現しました。かつての回転盤着脱打錠機では、回転盤モジュールの取出しに、分解する機械部品が多く、外した部品の一時置き場に苦慮してきましたが、フィーダーを含むこれらの部品をユニット化することで、一括での部品取り外しが可能となり、さらに本体に組み込まれたタラップ上に引き出す構造を採用。これらの機能は、スペアユニットを保有することで、切換時間を大幅に短縮することが可能となりました。
 煩わしさが多かった、部品分解・清掃・組付は機外で実施する時代へと変形し、製造現場における新スタイルをご提案できるものと確信しています。

●【匠】シリーズの最新版 TKR(回転盤着脱機)
 【匠】シリーズは、グローバルセールスを目標に、JAPANSPECを充実させながら、低価格、HI-SPECを実現したスタンダードモデルです。【匠】シリーズ第一弾TKSより従来型の打錠機を踏襲したステンレス鋼をボディーにまとい、作業者の動線に注目しフラップドアを採用しました。TKRでは、パワーユニットのスペックアップに加え、回転盤モジュールの着脱機能として、容易に取り外しができるタラップ昇降方式を採用しています。
 【匠】シリーズの大きな特徴として、本体一体型制御盤による省スペース化と、錠重量制御APC搭載の別置自立型パネルコンピュータ仕様となりますが、TKSでは断念した従来型コントロールシステム(APCON-PD)もラインナップに加え、別置式制御盤型のAPCON-PD仕様も選択できるようになりました。従って打錠機単体生産に特化したアットラインでは一体型制御盤仕様、周辺機器連動によるオンラインでは従来型の別置式制御盤仕様と、ご使用目的に応じた選択が可能となります。
 また国内ではあまり需要が少ない金型TSM-EUタイプも対応可能となります。グローバル化が進む昨今、国内製造のために金型を作り直すなどのロスを軽減すべく、TSM-EUタイプの打錠機も是非ご活用くだい。

 

●研究開発機能
 近年では各種学会へ積極的に参加することで、ジェネリック産業も含めた医薬品製造業のトレンド、そして医薬品産業だけでなく、食品、産業用素材の成形機など、幅広い視野を持ち研究開発に注力しています。これまで培ってきたノウハウだけでなく、アカデミックな視点を持つことで、定性的に分析できる力を養い、医薬品開発現場における各種検討課題に耳を傾け、問題解決に向けた提案や製造現場における効率化にお役立てできると信じています。
 そして今、HATAが考えるこれからの生産工場の有り方は、人と機械が調和した人に優しい製造工場を目標に、お客様の未来の夢工場建設プロジェクトにいかに寄与できるかを課題として取り組んでいます。そして固形製剤における苦難を乗り越え、さらなる創造と進化(真価)を求め、ジェネリック製薬業界、さらには医薬品産業全体の発展に努めて参ります。

 

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