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月刊JGAニュース

6月追補 初後発品は15成分、うちAGは2成分  

株式会社じほう 報道局 海老沢 岳

 6月の後発医薬品追補収載、初後発品は15成分33規格119品目となった。このうちオーソライズド・ ジェネリック(AG)が収載されるのは、大日本住友製薬と塩野義製薬のARB/CCB配合剤「アイミクス」(一 般名=イルベサルタン/アムロジピンベシル酸塩)と、第一三共の抗菌薬「クラビット点滴静注」(レボフロ キサシン)の後発品の2成分だった。

 初後発品15成分のうち、新規(剤形にかかわらず後発品が初めて参入するもの)は11成分。その中で収載数が最も多いのはアイミクス後発品。

 収載企業数はトップの15社で、大日本住友の子会社がAGを、ほか14社が通常の後発品をそれぞれ収載。各社ともHDとLDの2規格を収載しており、収載品目数も30品目と最多となった。

 薬価は「収載希望が10品目超の内用薬」に該当するため、先発品薬価の4掛けで算定。今回の追補で、4 掛け算定となったのはアイミクス後発品のみだった。

 次いで収載企業数が多かったのは東レと鳥居薬品の経口そう痒症改善薬「レミッチ」(ナルフラフィン 塩酸塩)の後発品で10社だった。品目数はカプセル、OD錠、フィルムを合わせて11品目。4掛け算定の要 件である「10品目超」(=11品目以上)は収載企業数で判断したため、10社だった同剤はぎりぎり該当せず、先発品薬価の5掛けで算定された。

【参考サイト】
厚生労働省 薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和3年12月10日適用)
https://www.mhlw.go.jp/topics/2021/04/tp20210401-01.html


◇沢井のタミフル後発品が収載

 承認取得企業が1社だった初後発品のうち、中外製薬の抗インフルエンザ薬「タミフル」(オセルタミビ ルリン酸塩)の後発品は沢井製薬が収載にこぎ着けた。沢井製薬は9月の発売開始を予定している。

 売り上げ目標などは開示していないが、競合として迎え撃つ形となる中外製薬は「後発品に関しては経済的なインパクトがどれだけあるかは分からない部分がある」としており、今期の動向に関心が集まる。


◇タケプロンの後出しAGも

 AGについては、初後発品のアイミクスとクラビット点滴静注の2成分に加え、通常の後発品が参入した後に投入する、「後出しAG」として、武田薬品のプロトンポンプ阻害剤「タケプロンOD錠」(ランソプラゾール)のAGを武田テバファーマが収載した。

 一方、昨年承認されているARB/CCB配合剤「レザルタス」のAGや、MSDのアレルギー性鼻炎治療剤「ナゾネックス」のAGなどは今回も収載を見送った。

 6月追補では340品目の収載希望があったが、安定供給への不安や採算性などを理由に収載希望を取り下げたものや、告示不要品目が合わせて32品目あったため、最終的には92成分180規格308品目となった。

 AGに追っかけAG、一社単独のタミフルGEと発売後に市場にどのような影響を与えるか注目が集まる品目が多くそろった追補収載だった。

 

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