PTP 包装機 PRESTA の開発の歴史
株式会社ミューチュアル
GE 薬協会員の皆様、賛助会員の株式会社ミューチュアルです。
当社に対し、「商社」というイメージの方が多いと思われます。しかし、それは一面であり、当社は旧来 PTP 包装機、ストリップ包装機や集積包装機といった包装機に加え、近年はシリンジ充填打栓機や成形充填包装機といった液剤充填機などのオリジナル機の設計・開発を行ってきました。
今回はその中でも、40 余年取り組んできた PTP 包装機について取り上げたいと思います。
当社の PTP 包装機の開発は、1979 年 11 月創業、1996 年 4 月に吸収合併した「テクノ自動機製作所」に遡ります。
同社は当時、欧州からもたらされ、急速に普及が広まった錠剤・カプセル用の PTP 包装機に注目、他の日本メーカーが為し得なかった流れ方向のノンスクラップ化、しかも“V カット”入りのノンスクラップ方式を採用し、開発されたのが初号機「HM-225 型」であり、現在にも通ずる“包材10%削減”をキャッチフレーズとして販売を開始しました。
1984 年には包材に PP を使用する流れに対応すべく、いち早く次号機の開発に着手。1987 年に従来のドラム式成形方式に代わって平板式成形方式を採用した、PP 対応機の「FM-225V 型」を完成させました。以降、集積包装までを一体化させた「TM-325 型」、ウィークリーシート対応の「HM-150 型」などに発展、1989 年には毎分 4000 錠のハイスピードモデル「FMH-225V 型」が完成しました。同機は、欠け錠・欠錠検知装置等、トラブル箇所をグラフ等でパネルに表示するタッチビジョン等で品質面の自動化と使い易さに配慮した設計であったため、多くのお客様にご採用いただきました。
その後、2001 年に現行モデル PRESTA(プレスタ)の原型となる「FMS-150 型」を開発しました。同機は、これまでの平板式成形方式ではなく、成形型内部でフイルムのピンポイント加熱と成形を同時に行うという、完全部分加熱成形方式を採用しました。この方式は、一対の成形金型で加熱と成形両方を行えるようにし、しかも、フイルム全面を加熱するのではなく、錠剤が入るポケットの部分だけ加熱するというものです。これにより、①省エネルギーとなる、②シートのカールが少ない、③再起動時のフイルムロスがない、④一対の金型で収縮性の異なるフイルムに対応するので金型費の低減等になる等の長所があり、従来のフイルム全体を加熱する PTP 包装機の欠点を克服することができました。この完全部分加熱成形式は高い技術が要求されます。当社では技術の粋を集め、この方式を完成させ、世界での特許を取得しました。
そして、現在の最新機となる「PRESTA6000」に至ります。
それまでの PRESTA は、成形金型の大きさから 4000 錠タイプまでしか製作できませんでしたが、様々な試作・テスト・調整の結果、成形サイクルの高速化を実現しました。更にウィークリーシートにも対応した幅広フイルム対応機に改良(50mm拡幅)、異形錠などの各種オプションにも対応できるようにも考慮し、あわせて外観や操作性なども再検討しました。
これら PTP 包装機開発の歴史のとおり、当社は創業以来、社名である「MUTUAL」=“互いに協力する共存の精神”を理念に、お客様の立場になって考え、行動し、多彩なユーザー・ニーズを満たすとともに、サプライヤーとの密接なコラボレーションを構築し、共に発展・繁栄する事を喜びとしております。これからもこの理念のもと、ジェネリック医薬品の発展に貢献していきたいと考えます。