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月刊JGAニュース

「ネスプ」バイオセイム収載、「シムビコート」後発品は見送り 6月追補  

株式会社じほう 報道局 報道1部
大塚 達也

 6月の後発医薬品追補収載では腎性貧血治療薬「ネスプ」(一般名=ダルベポエチン アルファ〈遺伝子組換え〉)のバイオセイムが収載される一方で、同じく注目を集めた喘息・COPD治療薬「シムビコート」(ブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物)の後発品は収載見送りとなった。

 協和キリンのネスプのバイオセイムは協和キリン子会社の協和キリンフロンティアが2018年8月に承認を取得。同年12月の収載を見送った後、先行品から新薬創出・適応外薬解消等促進加算分を除外して7掛けという薬価に落ち着いた。
 ネスプのバイオシミラー(BS)は昨年9月にJCRファーマ・キッセイ薬品工業と、三和化学研究所・ジーンテクノサイエンスが承認を申請し現在収載を目指している。だが、バイオセイムそのものに対する医療従事者からの信頼感や早期参入という意味で協和キリン有利は明白で、ネスプBSはバイオセイムと同じ価格帯では浸透は難しくなる。

 アストラゼネカ製造、アステラス製薬販売で今月からアストラゼネカが自社で販売も行うシムビコートは粉末吸入用キットの製造開発コストの問題から、通常の5掛けでは採算を取るのが難しいとされてきた。だが、17年5月の日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会で配合剤後発品の統一ブランド名「ブデホル」が発表され、今年2月にニプロ、日本ジェネリック、東亜薬品が承認を取得した。
 もっとも、安定供給の観点などから承認取得の時点で6月には収載されない可能性が濃厚だった。じほうの取材では、3社の製品が共同開発品であることが明らかになっており、粉末吸入製剤の製造施設を持つ東亜薬品は将来的な安定供給に自信を見せている。その事業性も含め、業界からの注目は次回以降の収載へ続くことになった。


●AGは5成分。「ユリーフ」後発品は16社集中

 通常のオーソライズド・ジェネリック(AG)では、大日本住友製薬の統合失調症治療薬「ロナセン」(ブロナンセリン)AGに大日本住友製薬子会社のDSファーマプロモが、MSDのアレルギー性鼻炎治療薬「ナゾネックス」(モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物)にキョーリンリメディオが参入した。後追いAGではアストラゼネカの抗がん剤3剤「アリミデックス」(アナストロゾール)、「カソデックス」(ビカルタミド)、「ノルバデックス」(タモキシフェンクエン酸塩)のAGを第一三共エスファが発売した。
 ロナセンの後発品はDSファーマプロモを含め10社が投入。初収載成分以外ではすでにAGが発売済みのキッセイ薬品工業の排尿障害治療薬「ユリーフ」(シロドシン)後発品に最多16社が集中した。元の収載希望は269品目だったが、採算性などを理由に取り下げがあり最終的には86成分264品目が収載された。

 

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