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月刊JGAニュース

『次世代医薬品製造への挑戦 ~連続製造、PAT ~』新製品 連続製造システム「CTS-MiGRA システム」、小型 NIR「PNIR」のご紹介  

株式会社パウレック

 GE 薬協会員の皆様、賛助会員の株式会社パウレックと申します。当社は『ハードウェア、ソフトウェア、エンジニアリング、計装制御』を 4 本柱とし、製剤装置及び製造プラント技術を提供しております。近年、医薬品の連続製造が日本国内でも徐々に広がりをみせております。その中で固形製剤の連続製造装置を日本国内でリードしております、当社の「CTS-MiGRA システム」をご紹介致します。「CTS-MiGRA システム」は原材料の混合、定量供給、加湿、造粒、乾燥、整粒、滑沢剤混合、打錠、計量(計数)、錠剤コーティングまで連続的に製造するシステムであり、また、ユニットの組み替えにより乾式造粒法や直接打錠法への適用も可能となります。また、連続製造の要として位置付けおります、工程モニタリングに使用する PAT(Process Analytical Technology)ツールである小型 NIR「PNIR」も合わせてご紹介致します。


【連続製造システム CTS-MiGRA システム】
 CTS-MiGRA システムでは、単一または複数成分を含む原材料を連続的に供給・加工し、製品を連続的に回収します。製品品質を担保するには独自の管理戦略を立て、PAT ツールを使用したリアルタイムモニタリングなど従来のバッチ製造とは異なる管理が必要となります。本方式によりスケールアップ毎の最適化や見込み生産によるロス、中間体の保管、管理が不要となり、開発スピードの向上、開発コストや製造コストの削減への寄与が期待できます。

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(1) 原料混合ユニット CTS-MG200
原料粉体を確実に混合してから次工程に移行するため、バッチ連続方式を採用し、定量フィーダーからの切出し精度を向上させる事が可能です。NIR を用い混合終点を管理することで品質のばらつきを低減させます。

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(2) 造粒ユニット CTS-MG100
原料粉体の装置内滞留時間を一定に制御する連続方式を採用しました。また、撹拌造粒技術を応用した事で、打錠に適した造粒物や整粒工程の不要な粒度分布幅が狭い顆粒の生成が可能で、条件設定により幅広く多様な造粒物が得られることが特徴です。

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(3) 乾燥ユニット CTS-FD-01W
2 分割式流動層を 2 台並べ 4 つのセルで乾燥を順次・並行して行うバッチ連続方式を採用しました。各セルに取り付けられた NIR により粉体の水分量をリアルタイムモニタリングし乾燥終点を決めることができるため、水分のばらつきを低減させます。


(4) 輸送・滑沢剤混合ユニット CTS-MG100 または CTS-MG200
造粒物と滑沢剤・崩壊剤などの混合において、用途に合わせて連続方式「MG100」又はバッチ連続方式「MG200」を選択できます。MG100 選択の際はパドルタイプのセンターブレードを使用し、NIR により API の含量や混合度をリアルタイムモニタリングします。また、輸送中の配管内で粒度のモニタリングも行います。


(5) 打錠ユニット 1090i
Fette 製打錠機 1090i(30 本立て)を採用。セグメントにより型替え作業が容易で、NIR 付自動錠剤測定機により錠剤の重量 / 径厚 / 硬度 / 薬物含量をモニタリング可能です。


(6) 錠剤コーティングユニット CTS-PRC
処理量 6 kg~ 10 kgの PRC-EVO 型錠剤コーティング機を 2 台並べ一定量の錠剤を交互に投入するバッチ連続方式を採用しております。錠剤カウンターにより投入錠数、排出錠数を管理コーティングドラム内の製品残りが 1 錠も無いことを確認します。また NIR をドラム回転軸に内蔵することで被膜量及び水分値をリアルタイムモニタリングし、終点管理を自動で行うことを可能としました。


【小型 NIR PNIR】
 PAT ツールの NIR の設置には連続製造設備との取合いがあるため小型化を図る必要があり、「PNIR」の本体サイズは 250×167×182mm と非常にコンパクトに設計されております。PNIRが扱う波長は 900nm ~ 1700nm の第 2 倍音をターゲットとし、外乱による影響が少ないため通常のガラス越しのモニタリングが可能です。また、回析格子ポリクロメーター分光方式の採用により、駆動部が無く、全波長を同時掃引しますので、スペクトルの変動要因が少なく、振動や温度変化に強い、製造設備への搭載に非常に有効な NIR となります。
 「PNIR」には検量線作成及び分析ソフトウェアが内蔵されており、簡単な操作で検量線の作成が可能です。3 種類の検量線を同時演算可能で、3 成分の予測値をリアルタイムで表示し、外部へ出力する事ができます。
 「PNIR」にはファイバー式で様々な用途に対応できる「PNIR-F17」と、反射式で測定径がφ20と広く、装置の測定部にダイレクトに取付ける「PNIR-R17」がございます。

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 当社が目指す製剤業界における役割は、装置を提供することのみならず、「ワンストップソリューションプロバイダー」としてお客様とともに最高品質の製剤を作り続けることと考えております。
これからのパウレックの技術にご期待下さい。

 

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