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月刊JGAニュース

編集後記  

 いきなりではあるが、筆者はもうすぐ 40 歳を迎える。「もうすぐ 40 か~」と何気なく思っているのではあるが、ある方から「不惑だね~」とのコメントをいただいた。

 この「不惑」、「論語」(春秋時代の儒家の始祖・孔子とその弟子の言動をまとめたもの)の「為政第二」に登場する一節である。原文は Web で調べてもらうとして、現代語でその箇所を記載すると、

「15 歳で学問を志して 30 歳で独立、40 歳で惑うことがなくなり、50 歳で天命を理解し、60 歳で人の意見を素直に受け入れられるようになり、70 歳で自分の思うように行動しても人の道から外れることはなくなった」

とあり、ここから 40 歳を「不惑」という(ちなみに数え年である)。孔子の時代は平均寿命が 50 歳もないような時代だと思うので、現代と直接比較、というか当てはめるのに違和感がないわけではないが、今なおこの呼び名は使われている。「40 歳」については、「四十路」や最近では「アラフォー」などが思い浮かぶが、実は「初老」もそうらしい。
 「不惑」といわれると趣をもって自身をふりかえったりしようと思いもするが、「初老」はなんとなく面白くない。

 「不惑」で考えてみると、まぁ見事に公私ともどもいろいろ戸惑い、迷い、悩みが尽きない。目の前のことに追われて、てんやわんやの日常である。天命を知る 50 歳(=知命)なんてもってのほかである。しかし、この「不惑」を、いい解釈でとらえてみよう。迷い多き現代だからこそ、「不惑」を自戒の念を込めて受け止め、未来をイメージしつつ、多少フラフラしても、筋を通して先に向かって今を生きる、というように心がけたいと思う。

 7 月の日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会第 13 回学術大会にて、当協会より「ポスト80% 時代」の次世代産業ビジョンの概要が発表された。2030 年、2040 年の姿に思いをはせながら「今何をすべきか」、と施策を講じる。
 GE業界のみならず、医療を取り巻く環境が大きな方針転換を求められていると感じている。目の前のことだけにとらわれず、今回の概要、また今後正式発表されるビジョンに鑑みつつ、先を見据えて歩を進めることが肝要ではないだろうか。

(Y.S.)

 

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