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月刊JGAニュース

ロコモって何?  

 昨今、「ロコモ」という言葉を耳にします。これは、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)の通称で、「立つ」「歩く」といった機能(移動機能)が低下している状態のことをいい、要介護や寝たきりになってしまう、もしくはそのリスクが高い状態を表します。運動器とは、身体運動に関係する骨、筋肉、関節、神経などの体を動かす仕組みの総称です。


 日本は長寿の国です。ただ、実際の寿命とは別に、WHO(世界保健機構)が提唱した「健康寿命」という指標があり、これは、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間です。1)この健康寿命の延伸のためにも、要介護や寝たきりになってしまう、もしくはそのリスクが高い状態のロコモへの対応が重要視されています。


 身体活動・運動分野における国民の健康づくりのための取組については、「健康づくりのための運動所要量」(平成元年)と「健康づくりのための運動指針」(平成5年)の策定を経て、平成18年に「健康づくりのための運動基準2006~身体活動・運動・体力~報告書」及び「健康づくりのための運動指針2006~生活習慣病予防のために~<エクササイズガイド2006>」が策定されました。
 その後2013年に改定された、「健康づくりのための身体活動基準2013」にて、身体活動の増加でリスクを低減できるものとして、従来の糖尿病・循環器疾患等に加え、がんやロコモティブシンドローム・認知症が含まれることを明確化(システマティックレビューの対象疾患に追加)されており、厚生労働省ホームページに掲載されています。2)


 さて、このロコモの予防・改善といった対策には運動習慣が大事であり、ひいては健康寿命の延伸につながります。自身がロコモであるかどうかは簡単な「ロコモ度テスト」でわかります。日本整形外科学会公式・ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイトである「ロコモONLINE」に3つの簡単なテストと判定方法が掲載されています。「ロコモ度テスト」は「下肢筋力を調べる立ち上がりテスト」、「歩幅を調べる2ステップテスト」、「身体の状態・生活状況を調べるロコモ25」の3つからなります。ホームページでは、イラストやガイドムービーによりわかりやすく紹介されています。ぜひとも一度チェックされてみてはいかがでしょうか。その他、今すぐできるロコモ対策として「ロコトレ」や「食生活でロコモ対策」も掲載されています。3)

 また、前述の厚生労働省ホームページでは、健康づくりのための身体活動指針として、「アクティブガイド」が掲載されており、今より10分多く体を動かす習慣として+10(プラス・テン)が紹介されています。「地域で」・「職場で」・「人々と」の3シチュエーションで、普段でも行える運動が掲載されています。 2)


 皆さん自身の、またご家族等のために「ロコモ」を正しく理解・対策することにより、健康寿命延伸に取り組まれてみてはいかがでしょうか。


【参考】
1)e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
2)厚生労働省ホームページ
「健康づくりのための身体活動基準2013」及び「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple.html
3)ロコモチャレンジ! 推進協議会 公式HP「ロコモONLINE」
https://locomo-joa.jp/

 

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