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月刊JGAニュース

澁谷工業株式会社  

 GE 薬協会員の皆様、賛助会員の澁谷工業株式会社です。
 当社はプレフィルドシリンジやバイアル・アンプルの注射剤、点眼剤や輸液バッグ剤などの液剤や無菌粉末の充填包装の自動製造システムをはじめ、クリーンな無菌操作空間を維持するアイソレータ技術、過酸化水素蒸気や電子線(EB)による除染システムなど、最先端の製薬設備システムを設計・製造し、国内外の製薬会社や再生医療研究施設などへ納入させて頂いております。
 新薬およびジェネリック医薬品業界では、無菌注射剤における抗がん剤やステロイド剤などをはじめ抗体やバイオ技術を利用した高薬理活性物質を取り扱う設備が増加傾向にあります。こうした背景から今回はここ数年で納入事例の多い当社の「無菌ハザードアイソレータ技術」について概要をご紹介致します。

<開発の背景>

 現存する最適な無菌操作プロセスはアイソレータ技術であることが広く認識されていますが、一方で抗がん剤などの高薬理活性製剤を取り扱う場合においては、微生物汚染への対処だけでなく、内部で取り扱う高薬理物質の飛散による労働安全衛生への対応とクロスコンタミネーション防止への対応をいかに制御するかも重要な要素となっています。

<省スペースの無菌・ハザード充填システム>

 当社がこのたび開発し複数ラインの納入実績ができました「無菌・ハザード充填システム」は無菌環境と封じ込めの維持を両立しており、シブヤ独自のバルコニー構造の採用により無菌ハザード作業エリアと機械駆動保全エリアを明確に分断しました。ハザード物質の管理区域を最小限として汚染リスクを下げ、不活化の洗浄作業を容易にすべく充填部を主体にアクセス性の向上を図っています。

 バイアルなど容器の搬送面をシステム背面からの片持ちバルコニー構造にデザインし、機械駆動部をすべて背面側に配置したことから、アイソレータ内のハザード物質捕粒用HEPAフィルターまでのハザード気流区域をシンプル且つコンパクト化し暴露リスクを最小限とすることを可能にし、作業安全性や品質の向上につながっています。また設置スペースは機器の壁付け配置を採用することにより、従来比 40%削減の省スペースなレイアウトを実現し、建築イニシャルコストと空調や環境管理などのランニングコストの低減を可能としています。

 安定供給と高品質に加え低コストの実現を求められるジェネリック医薬品における製造システムの在り方は、時代とともにこれからも変化していくものと考えております。今回概要をご紹介させて頂きました無菌ハザードアイソレータの充填システムのほか、当社ではハザードリスクの高い原薬投入用アイソレータや、手作業が主流の無菌試験用アイソレータにおいても無菌とハザードを両立したアイソレータの提案が可能です。

 私達は、創業以来「喜んで働く」ことを経営理念とし、医薬品をはじめ食品・飲料・化粧品・医療機器・再生医療などライフサイエンス分野で培われた技術の応用展開によって新たなイノベーション開発に挑戦し、会社の発展とともに社会に貢献することを目指しております。今後とも医薬品業界の更なる発展と人類の健康を心より祈念申し上げます。
 

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