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月刊JGAニュース

編集後記  

 平成から令和 1 年、そして、新年明けて令和 2 年を迎えた現在、我々人類は、思いがけず、新型コロナウィルスとの闘いに直面している。日々、得体のしれない敵の存在感を不気味に感じながら、自身や皆の無事を祈り、出来得る対策を講じる。
しかし、こうした出来事は、あらためて“生きること”“生き抜くこと”の壮絶さ、尊さを生々しく痛感させられるきっかけともなった。
医療技術の進展等をうけて、「人生 100 年時代」が謳われる時代にあっても、世界が平和であること、自身や人類が健康であること、年齢に関わらず、“今、この瞬間を生きている奇跡”は、かけがえのないことなのだ。

 一方で、このような状況の中、本筋ではないところで、非常に懸念すべき事態が発生したことも記憶に新しい。「トイレットペーパー不足」のフェイクニュースと、それに伴う一時的な買占め騒動である。
なお、昨今では、新型コロナウィルスに限らず、“有事の際のフェイクニュース(東日本大震災の際になどにも)”は、必ずといってよいほど発生している。

 かつては情報を得ること自体が難しく、労力をかけてでもとにかくより多くの情報を集めることが大切であったが、情報が次から次へと飛び込んでくる現代では、情報を集めることよりも、むしろシャットアウトし、「自分に必要な情報や有益な情報を取捨選択する能力」が求められているという声もある。
そう考えると、フェイクニュースを見極める能力や集めた情報をうまく活用していくためのリテラシーに加えて、「最新情報に基づいて素早くリアクションを取る行動力は極めて重要なファクター」になってくる。(日本は、2009 年の学習指導要領に情報教育に関する内容が盛り込まれ、国を挙げた情報リテラシー教育を開始)

 ちなみに余談だが、あの織田信長は「桶狭間の戦い」において、情報収集を駆使して勝利をもぎとったと言われる。(信長の情報活用能力の勝利)

 来る「Society 5.0」で実現する社会は、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、課題や困難を克服するとしている。
 ただし、そうした時代を迎えていくにあたり、老若男女問わず、我々一人ひとりの情報活用能力(正しく新しい情報に基づく行動力)および、情報リテラシー(情報真偽の見極め)の重要性は、今後さらに増していく一方と思われる。

 人生 100 年時代として、自身は約半世紀目を迎えているわけだが、幸運にも今まで生き残り、そしてまだ、あと半世紀生きるチャンスがある。新しい時代を生きる一員として、身の回りに溢れる「情報」と上手く付き合う力に磨きをかけ、人生をアクティブに泳ぎ切りたい。

(T.T)
 

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