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月刊JGAニュース

令和2年度診療報酬改定(後発医薬品関連)  

1.調剤報酬

●後発医薬品調剤体制加算<調剤基本料の加算>
 薬局における後発医薬品調剤体制加算については、2020年9月までに後発医薬品使用割合80%を達成するという政府目標を踏まえつつ、さらなる後発医薬品の使用を促進するために、調剤数量割合の高い加算に重点を置いた評価となりました。具体的には、「後発医薬品調剤体制加算1(後発品置換率75%以上)」が3点引き下げ、「後発医薬品調剤体制加算3(後発品置換率85%以上)」が2点引き上げられました。

【調剤報酬】 00 調剤基本料 調剤基本料加算
区分 主な内容 点数
~2020.3 2020.4~
後発医薬品
調剤体制加算
1 後発品置換率75%以上 かつ
カットオフ値
50%以上
18点 15点
2 後発品置換率80%以上 22点 22点
3 後発品置換率85%以上 26点 28点

●後発医薬品減算<調剤基本料の減算>
 また、後発医薬品の調剤数量割合が著しく低い薬局に対する調剤基本料の減算規定については、対象範囲が拡大されました。
 具体的には、「いわゆる後発医薬品減算」の対象範囲が、後発医薬品の調剤数量割合20%以下の薬局から、40%以下の薬局に拡大されました。

【調剤報酬】 00 調剤基本料 調剤基本料減算
区分 主な内容 点数
~2020.3 2020.4~
後発医薬品
減算※1
後発置換率40%以下の保険薬局が減算対象。
✔経過措置として、令和2年9月30日までの間は、後発品置換率20%以下の保険薬局が減算対象。
✔処方箋の受付回数が1月に600回以下の保険薬局は除外。
✔当該保険薬局における処方箋受付状況を踏まえ、やむを得ないもの※2は除外。
✔地方厚生(支)局長への報告(毎年7月)などをしていない保険薬局は減算対象。
2点減算 2点減算

※1 調剤基本料の注7に規定する厚生労働大臣が定める保険薬局
※2 直近1月間の当該保険薬局における処方箋受付回数のうち、先発医薬品の変更不可の記載がある処方箋の受付回数が50%以上の場合

2.診療報酬(医科)

●後発医薬品使用体制加算
 医療機関における後発医薬品使用体制加算については、後発医薬品の使用割合の実態を踏まえ、基準が見直されました。具体的には、「後発医薬品使用体制加算4(後発品置換率60%以上)」が廃止されたことにより、後発医薬品使用体制加算のハードルが後発品置換え率70%以上に引き上げられました。
 また、「後発医薬品使用体制加算1(後発品置換率85%以上)」、「後発医薬品使用体制加算2(後発品置換率80%以上)」、「後発医薬品使用体制加算3(後発品置換率70%以上)」が2点ずつ引き上げられました。

【医科診療報酬】 A243 後発医薬品使用体制加算
✔入院基本料・入院料へ加算する(入院初日に算定)。
✔以下の入院基本料・入院料を算定している患者に限り加算する。
 A100 一般病棟入院基本料、A102 結核病棟入院基本料、A103 精神病棟入院基本料、
 A104 特定機能病院入院基本料、A105 専門病院入院基本料、
 A106 障害者施設等入院基本料(特定入院基本料を算定するものを除く。)、
 A108 有床診療所入院基本料、A317 特定一般病棟入院基本料
区分 主な内容 点数
~2020.3 2020.4~
後発医薬品
使用体制加算
1 後発品置換率85%以上 かつ
カットオフ値
50%以上
45点 47点
2 後発品置換率80%以上 40点 42点
3 後発品置換率70%以上 35点 37点
4 後発品置換率60%以上 22点 廃止

届出様式(40の3)の内容が一部変更されました、

これまでは「直近3ヵ月間の実績」の届け出でしたが、今後は「直近1月の実績」の届け出となります。

 

3. 医薬品の使用状況

全医薬品の規格単位数量及び後発医薬品の規格単位数量並びにその割合
届け出前1月の実績(  年 月)
全医薬品の規格単位数量(①)
後発医薬品あり先発医薬品及び後発医薬品の規格単位数量(②)
後発医薬品の規格単位数量(③)
カットオフ値の割合(④)  (②/①)(%)
後発医薬品の割合(⑤)  (③/②)(%)

●外来後発医薬品使用体制加算

【医科診療報酬】 F100 処方料 処方料加算  <外来(院内処方)、診療所のみ>
区分 主な内容 点数
~2020.3 2020.4~
外来
後発医薬品
使用体制加算
1 後発品置換率85%以上 かつ
カットオフ値
50%以上
5点 5点
2 後発品置換率75%以上 4点 4点
3 後発品置換率70%以上 2点 2点

●一般名処方加算
 医療機関における一般名処方を推進する観点から、処方箋料の一般名加算が見直されました。
 具体的には、「一般名処方加算 1」、「一般名処方加算 2」 が 1 点ずつ引き上げられました。

【医科診療報酬】 F400 処方箋料 一般名処方加算  <外来(院外処方)>
✔一般名処方とは、単に医師が先発医薬品か後発医薬品かといった個別の銘柄にこだわらず処方を行っているものである。
区分 主な内容 点数
~2020.3 2020.4~
一般名処方
加算
1 後発医薬品のあるすべての医薬品が一般名処方されている場合
(後発医薬品が2品目以上含まれる場合に限る)
6点 7点
2 後発医薬品がある医薬品が1品でも一般名処方されている場合 4点 5点

●バイオ後続品に係る情報提供の評価(在宅自己注射指導管理料)
 バイオ後続品の患者への適切な情報提供を推進する観点から、在宅自己注射指導管理料について、バイオ後続品を導入する場合の新たな評価が行われました。
 具体的には、在宅自己注射指導管理料について、バイオ後続品に関する情報を患者に提供した上で、当該患者の同意を得て、バイオ後続品を導入した場合の評価(150点加算)が新設されました。

【医科診療報酬】 C101 在宅自己注射指導管理料 バイオ後続品導入初期加算
✔在宅自己注射指導管理料へ加算する。
区分 主な内容 点数
~2020.3 2020.4~
バイオ後続品
導入初期加算
✔当該患者に対し、バイオ後続品に係る説明を行い、バイオ後続品を処方した場合に加算する
(当該バイオ後続品の初回の処方日の属する月から起算して3月を限度として加算する)。
- (新設)
150点

<参考>後発品置換率/カットオフ値の計算方法

 「後発品置換率」は、後発医薬品へ置き換え可能な市場における後発医薬品の数量割合で、後発医薬品への置き換え状況を把握する指標となります。

 「カットオフ値」は、全医薬品市場における後発医薬品へ置き換え可能な市場の数量割合で、後発医薬品へ置き換え可能な市場規模を把握する指標となります。

 「数量」は、当該保険医療機関もしくは当該保険薬局において調剤した、薬価基準告示上の規格単位ごとに数えた数量となります。

 医療機関等で保険診療に用いられる医療用医薬品として官報に告示されている(薬価基準に収載されている)品目は約14,000品目あり、各先発医薬品における後発医薬品の有無及び後発医薬品について、以下のように分類されています。

区分 対象 品目数
1 後発医薬品がない先発医薬品(後発医薬品の上市前の先発医薬品など 2,304
2 後発医薬品がある先発医薬品
(先発医薬品で剤型や規格が同一でない場合などを含む。
ただし、全ての後発医薬品が経過措置として使用期限を定められている場合を除く。)
1,493
後発医薬品がある先発医薬品(後発医薬品と同額又は薬価が低いもの) 46
3 後発医薬品 6,611
後発医薬品(先発医薬品と同額又は薬価が高いもの) 64
昭和42年以前に承認・薬価収載された医薬品及び
令和2年度薬価基準改定における「基礎的医薬品」の対象成分
3,523

厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/topics/2020/04/tp20200401-01.html)より作成

後発品置換率/カットオフ値の算出で「後発医薬品の規格単位数量」を算出する際に除外する医薬品は、以下の通りです。

① 経腸成分栄養剤
   エレンタール配合内用剤、エレンタールP乳幼児用配合内用剤、エンシュア・リキッド、
   エレンシュア・H、ツインラインNF 配合経腸用液、ラコールNF 配合経腸用液、エネーボ配合経腸用液
   ラコールNF 配合経腸用半固形剤、イノラス配合経腸用液
② 特殊ミルク製剤
   フェニルアラニン除去ミルク配合散「雪印」、ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合散「雪印」
③ 生薬(薬効分類番号510)
④ 漢方製剤(薬効分類番号520)
⑤ その他の生薬及び漢方処方に基づく医薬品(薬効番号590)

令和2年3月5日 厚生労働省通知(保医発 0305第3号)

参考:日本病院薬剤師会サイト「令和2年度診療報酬改定」 New!
https://www.jshp.or.jp/cont/20/0305-5.html

東和薬品 医療行政動向サイト
https://med.towayakuhin.co.jp/medical/admininfo.html

厚生労働省保険局医療課「令和2年度診療報酬改定の概要」
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000691038.pdf

 

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