EN

月刊JGAニュース

共和薬品工業の経営ビジョン 「CNSトータルソリューションカンパニーを目指して」  

共和薬品工業株式会社

代表取締役社長 角田 礼昭

 「リレー随想」から「会員会社だより」とコーナーがリニューアルされた2回目の原稿を依頼されましたが、どのようなトーンで寄稿すればよいのか頭を悩ませました。
 ちょうどこの1年、当社にとって2007年にLupinグループとなって以来の大転換があり、共和薬品工業はどこに向かっているのか?とご心配されている方もいらっしゃるのではと思います。そこで、この誌面を借り、改めまして当社の戦略について、会員企業の皆様に知っていただく機会とさせていただくこととしました。


 2019年12月、親会社であったグローバル医薬品企業Lupin傘下を離れ、ユニゾン・キャピタルの支援の下、独立した企業となって約半年が経ちます。
 新体制になり、まず着手したのが、新・中期経営計画の策定で、Lupin傘下で封印してきた構想である表題の「CNSトータルソリューションカンパニーを目指して」という経営ビジョンです。
 当社は、ハイブリッド化戦略、トランスフォーメーション戦略として、ジェネリック医薬品に軸足を置きながら、長期収載品、新薬とCNS領域に焦点を当てた医薬品メーカーとしての戦略を進めてきました。しかしながら、CNS疾患には、医薬品だけでは治療できない部分があり、さらに幅広く治療領域を横断して、Beyond the drugのソリューションも追及し、精神疾患等のCNS領域の疾患で苦しむ患者さんとその家族、医療機関、また社会に貢献して行こうという思いを込めています。


 このBeyond the drug の試みとして、まず最初に発表したのが、AIによる認知症診断支援システムのFronteo社との事業提携です。これは患者さんと医師やコ・メディカル、または家族とでも構わないのですが、数分の自由会話を録音して、その内容からAIが認知機能の評価を行うというものです。


 また、ドイツニューロケア社との資本提携も発表いたしました。ニューロケア社は、精神科疾患の患者さんに対して、科学的なアプローチを用いて、医療機器、カウンセリング、薬物治療などの個別化治療を提供する機器や技術、ノウハウを持つ会社です。
 ニューロケアの持つソリューションに大きな可能性を感じ、協業を決めました。


 私たちの目指す経営ビジョンは、Lupinというグローバルの医薬品企業の傘下では、絶対に目指すことができなかった方向性であり、またこれからの時代に求められる企業の姿であると確信しています。
 この先にもCNS領域を中心に、医薬品、また医薬品にこだわらないソリューションを追求して行きますが、そこでは、新たに株主となったユニゾン・キャピタルグループの持つ様々なリソース(ユニゾン・エコシステム)が機能しており、力強いサポートが受けられています。


 もちろん当社の基幹ビジネスはジェネリック医薬品であり、日本ジェネリック製薬協会の皆様とはこれからも共に歩んでいく所存です。これからも共和薬品工業にご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

 

PDFでご覧になる方はこちら