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月刊JGAニュース

6月の追補収載は大型品ラッシュ  

株式会社じほう

報道局日刊・PJ編集部 大塚 達也

 6月の後発医薬品薬価追補収載は大型の先発品のジェネリック(GE)が大量に名を連ねた。初追補収載品も18成分292品目と多かった。
 初追補収載品のうち、収載企業が最も多かったのは、アルツハイマー型認知症治療薬「メマリー」(第一三共)GEのメマンチン塩酸塩で22社99品目が参入した。次に多かったのがアレルギー性疾患治療剤「ザイザル」(グラクソ・スミスクライン〈GSK〉)GEのレボセチリジン塩酸塩で21社の43品目が収載された。消炎鎮痛剤「セレコックス」(アステラス製薬)GEのセレコキシブは19社38品目、高脂血症治療剤「ゼチーア」(MSD/バイエル薬品)GEのエゼチミブは19社20品目、前立腺肥大症治療薬「アボルブ」(GSK)GEのデュタステリドは15社16品目だった。
 他にもアルツハイマー型認知症治療剤「レミニール」(ヤンセンファーマ/武田薬品工業)GEのガランタミン臭化水素酸塩が9社27品目、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤「ザルティア」(日本新薬)GEのタダラフィルが9社18品目、過活動膀胱治療薬「ウリトス/ステーブラ」(杏林製薬/小野薬品工業)GEのイミダフェナシンが7社11品目、骨粗鬆症治療剤「エディロール」(中外製薬/大正製薬)GEのエルデカルシトールが2社4品目、広範囲抗菌点眼剤「ベガモックス」(ノバルティス ファーマ)GEのモキシフロキサシン塩酸塩が2社2品目、収載された。
 その他、速効型インスリン分泌促進薬「シュアポスト」(大日本住友製薬)GEのレパグリニド(2品目)、骨粗鬆症治療剤「ビビアント」(ファイザー)GEのバゼドキシフェン酢酸塩(1品目)、アレルギー性疾患治療薬「ディレグラ」(サノフィ)GEのフェキソフェナジン塩酸塩/塩酸プソイドエフェドリン(1品目)は沢井製薬のみが収載。MRI造影剤「マグネスコープ」(ゲルベ・ジャパン)GEのガドテル酸メグルミン(5品目)にはGEヘルスケアファーマ、鉄過剰症治療薬「ジャドニュ」(ノバルティス ファーマ)GEのデフェラシロクス(2品目)にはサンド、くも膜下出血治療薬「エリル点滴静注液」(旭化成ファーマ)GEのファスジル塩酸塩水和物(1品目)には共和クリティケア、片頭痛治療剤「アマージ」(GSK)GEのナラトリプタン塩酸塩(1品目)には寿製薬、特発性肺線維症治療薬「ピレスパ」(塩野義製薬)GEのピルフェニドン(1品目)には日医工が、それぞれ単独で参入した。
 このうち、メマンチン塩酸塩とエゼチミブは第一三共エスファ、レボセチリジン塩酸塩とデュタステリドは武田テバファーマ、セレコキシブはファイザー、イミダフェナシンはキョーリンリメディオがオーソライズド・ジェネリック(AG)を発売。サンドのデフェラシロクスもAGだ。
 近年の新薬市場は、バイオ医薬品が売り上げ上位の多くを占めるようになっており、売り上げ規模が100億円、200億円を超える大型の低分子医薬品へのGE初参入が今回ほど集中する機会は以降、ほとんどないとされる。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で情報提供活動も制限される状況ではあるが、各社は品質保証や安定供給に努めた上で自社品への切り替えを促し、スムーズに追い風に乗りたいところだ。
 また、政府のGE使用促進策の目標である「9月までに数量シェア80%」達成は、今回数量の分母が一気に増えたことで、微妙な状況になった。ただ、使用促進の本来の意義は医療の質を維持向上しながら、医療保険財政を改善し、患者の負担も軽減することだ。今後も個社、業界が真剣にGE普及に取り組み、引き続き社会に貢献していく必要がある。

 

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