編集後記
「変わる価値観と共生できる自分でありたい」
コロナ禍により、私たちの環境や生活は一変し、これまでの概念が通用しない新しい時代・変革の時期にきているのは言うまでもないことである。
だれもが予期せぬことに遭遇し、身の安全は自分で守る、人にはできるだけ迷惑をかけない生き方といった潜在意識を改めて芽生えさせてくれた。そして、社会の豊かさとともに物欲により、モノを買うことで心が満たされ、それがある種の幸福の象徴であることに気づくこともあった。
モノの大切さ、人を思いやる心、人とのつながりの大切さ、自然の恵みへの恩恵を感じ、幸福とは何か、何のために働いているのか等、何気ないことに自問自答したり、これまでの自分の行動や生き様を見直す好機にもなった。
昔を振り返り、幼い頃の自分や家族との思い出が鮮明に映し出された光景には謙虚で純粋な自分が居たことに気づかせてくれた。
時代や社会の変革により、価値観の多様性や置かれている環境によって、人間の心もいつしか変わってしまうのであろう。しかし、自分とは何なのか、どうありたいか、自分は何ができるのか、自分は何のために生きているのか、常に自分を見失わないよう初心に戻り自分を振り返ることも大切なことだと感じた。
私は、大学卒業後1つの会社で日本におけるジェネリック医薬品の啓発に長い間取り組んできた。ジェネリック医薬品とともに時代を駆け巡り、色とりどりの景色を見させてもらった。感慨深いものがあるが、私の人生観はジェネリックによって大きく変わった。
これからの時代は「個の時代」と言われている。差別や競争のない人間社会の中で個人の「個性」・「強み」・「特性」を重んじる世の中の到来はお互いを高め合い、尊重できる社会になるはずだ。「生きる糧」を見出し活力ある「生きやすい」社会の実現に向け、私も微力ながらこれまでの経験をさらに活かし邁進していきたい。
(K.M)