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月刊JGAニュース

ダイト株式会社  

 当社は、子会社として大和薬品工業(株)(富山市)、Daito Pharmaceutical America Inc. と大桐製薬有限責任公司(中国)を持ち、①原薬の製造販売 ②製剤の製造販売 ③健康食品の販売を主な事業として行っています。原薬と製剤の両方を扱っている点が特徴であり、原薬から製剤までの一貫製造が可能な体制の下、幅広い工程での製造受託が可能です。原薬については、大和薬品工業(株)、関連会社の千輝薬業有限責任公司・安徽鼎旺医薬有限公司(いずれも中国)があり、製造した中間体や最終製品のほとんどすべてが当社を通じて販売されております。一方製剤についても、大桐製薬での日本向け受託製造を行っており、近い将来、中国市場を視野に入れての諸準備を進めております。当社では、薬機法・GMP 省令はもとより、国際的基準である PIC/S GMP 及び米国医薬食品局(FDA)公布のcGMP を取り入れ、それらに準拠した医薬品の生産活動を行っており、FDA による定期査察も受けております。査察で受けた指摘については、複数の外部 GMP コンサルタントとの契約の下、工場全体に亘る包括的な改善を進める体制をとっております。
 昨今、海外生産の不安定さから派生するマイナスイメージはあるものの、すべての関係会社との頻繁な人的交流及び情報交換により、製造管理・品質管理の強化(一元化)に努めており、今や日本国内と遜色のないレベルに達しています。むしろ、関係会社を通じての信頼できるサプライチェーンの構築と多様な関係企業とのバリューチェーンの展開を進めていく考えです。更に、当社は創業時の商社を皮切りにして製造業へと事業領域を拡大していることから、国内の医薬品メーカー大半との取引があるという強みも活かしていきたいと考えています。
 当社は 2021 年 5 月期で創業 79 周年を迎えます。昨年、“100 年企業を目指して”という若手社員によるプロジェクトを発足させ、将来展望を描いてもらうことと致しました。同時に、執行役員を中心にした将来構想へのブレーンストーミングを行い、双方のアイデアを併合した形で“5 つの新規プロジェクト”をスタートさせて活動中です。当社の販売は大半が委託(B to B ビジネス)であり、モノづくりに軸足を置いた企業として、“新技術・新領域”への挑戦を積極的に推進する考えです。
 当社の経営理念は、『社員が“楽しい会社、楽しい仕事”を実感できる働きやすい職場を作り、健康な社会作りに貢献し、選ばれ続ける企業を目指します』ですが、ここで“楽しい会社”とは「社員自らの成長と会社の成長が連動し、いきいきと楽しく仕事が出来る会社」、“楽しい仕事”とは「病を治したい患者さんやお客様に役立つように、社会に対して製品を供給する喜びを味わえる仕事」です。組織は社員によって成り立っていることを謳っています。
 2020 年末に発生した医薬品メーカーの不祥事は前代未聞であり、これが組織ぐるみということであれば、そこに働く社員の拠り所は無いも同然であり、企業としての責任は極めて重大です。社員一人一人がコンプライアンス・ガバナンスの重要性を実感できる職場であってこそ製造管理・品質管理を徹底することができるものと思われます。
 選ばれ続ける企業を目指すためには技術の維持・発展は必須条件であり、“新技術・新領域への挑戦”とともに、企業風土(Quality Culture)を作る人材育成が何よりも大切であると考えています。

 

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