編集後記
2020年から突如始まった世界規模での新型コロナウイルスとの共生。コロナ禍での新年度も今月で2周目となる。
新社会人からベテラン勢まで老若男女全ての人々が平等に“新しい生活”“新しい生き方”に向き合っている。自身が新社会人を迎えた時代は、いわゆる“バブルど真ん中”であった。その後、バブル崩壊など、いくつか歴史の転換期を経験してきたわけであるが、人生100年時代、50代半ばで折り返し地点を迎えた自分が、再び、まさに“これまでの常識を覆す”歴史的事態に直面するとは。一方で、やむを得ずとはいえ、ここにきて“大きな変革(働き方・生き方)”を求められることに新鮮さと前向きな刺激を感じているところである。
そのような中、時に心身ともに疲れた時には、“変わらないもの”が心を癒してくれる。
特に素晴らしい傑作娯楽映画を選び、全国の映画館で1年間にわたって連続上映する「午前十時の映画祭」という企画がある。2020年3月に10年の歴史に一旦幕を閉じられたが、ファンの閉幕を惜しむ声や熱い思いに後押しされ、「午前十時の映画祭11」として復活。上映作品のラインナップは、4人の選定委員(襟川クロ氏、戸田奈津子氏、町山智浩氏、武田和氏)と観客のリクエストをもとに作られた。
上映作品は新たなセレクト作品22本、再上映作品5本をあわせた計27本。アーノルド・シュワルツェネッガー主演「ターミネーター」「ターミネーター2」や、本映画祭初の特撮映画「モスラ(1961)」(4Kデジタルリマスター版)などがラインナップされている。また日本映画では、「モスラ(1961)」(4Kデジタルリマスター版)をはじめ、「隠し砦の三悪人」(4Kデジタルリマスター版)、「座頭市物語」(4Kデジタル修復版)の3本が初登場。アンコール作品は、「アンタッチャブル」のほか、「ティファニーで朝食を」「赤ひげ」「2001年宇宙の旅」「スタンド・バイ・ミー」の5本となった。(「午前十時の映画祭11」は、2021年4月2日から22年3月31日まで開催。全27本を全国63劇場で上映)
なお、コロナ禍であるので映画館で観るかはさておき、自宅でも懐かしの名作映画に簡単に触れられる時代。私自身、目まぐるしい日々を過ごしているからこそ、あえて久しぶりにゆっくりと映画鑑賞の時間を作り、“心にビタミン補給”をしてみようと思う。