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月刊JGAニュース

リフィル制度について  

リフィル制度とは、長期処方について、依存性の強い向精神薬に関しては抑制するなどのメリハリを付けつつ、患者の通院負担の軽減や利便性向上の観点から、病状が安定している患者等を対象に一定期間内の処方箋を繰り返し利用することができる制度です。(日本では、導入について検討されているところですが、欧米などでは既に導入されています。)

 

 日本においては、2021 年 5 月 21 日に財務省の財政制度等審議会から麻生財務相に提出された「財政健全化に向けた建議」の中で、

“リフィル制度の導入を令和 4 年度(2022 年度)から図るべきである。”
と明記されました。さらに、2021 年 6 月 18 日に閣議決定された内閣府「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2021」でも、“症状が安定している患者について、医師及び薬剤師の適切な連携により、医療機関に行かずとも、一定期間内に処方箋を反復利用できる方策を検討し、患者の通院負担を軽減する。”と明記されており、リフィル処方箋の制度化に向けた検討を開始する方向性が示されました。

 なお、リフィル制度についてはこれまでも国が提案し(厚労省「チーム医療の推進に関する検討会報告書(2010 年 3 月)」、安倍政権「規制改革実施計画(2015 年 6 月閣議決定)」等)、診療報酬改定について協議する中央社会保険医療協議会などで議論されてきましたが、健康被害の防止や医療の質を下げない等の観点から慎重に検討すべきとの声もあり、制度の導入に至っていません。医師の働き方改革や薬局薬剤師の職能拡大などの議論が進みつつある現在、制度化の行方が注目されています。

以上

(参考情報)
日本薬剤師会「薬剤師の将来ビジョン」
(p.28、38、61、94、95 にリフィル処方について記載)
https://www.nichiyaku.or.jp/assets/pdf/vision.pdf

財政制度等審議会 財政制度分科会 会議資料(令和 3 年 4 月 15 日開催)
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20210415zaiseia.html

財政制度等審議会 財政健全化に向けた建議(令和 3 年 5 月 21 日)
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20210521/01.pdf

内閣府 経済財政運営と改革の基本方針 2021(令和 3 年 6 月 18 日)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2021/decision0618.html

「チーム医療の推進に関する検討会」報告書(平成 22 年 3 月 19 日)
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/03/s0319-9.html

 

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