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月刊JGAニュース

株式会社畑鐵工所  

 GE薬協会員の皆さま、こんにちは。賛助会員の株式会社畑鐵工所です。

 昨今の医薬品産業では、世界的な感染症の対抗措置として講じられている、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンに注目が集まり、BIO、無菌製剤(注射剤、薬液剤)への関心が高まり、固形製剤は比較的に停滞気味の状態で推移しています。また国内の固形製剤においては、起きてはならない事故の発生や、監査当局の査察強化に伴う対応など、よりPIC/SGMPへの対応が加速している情勢と見受けられ、我々固形製剤装置メーカーとしても、この厳しい情勢に柔軟に対応できる様、日々取り組みを進めております。
 以前は薬価に比例して、付加価値が高いものほど高価で高機能な装置が求められて来ましたが、最近では高機能を標準装備した汎用的な装置が求められていると認識しております。そこで弊社に課せられた使命として「高機能を標準化に」を掲げ、医薬品製造業におけるNEWノーマルに貢献していきたいと考えています。

●データインテグリティ(DI:データの頑健性)への取り組み
 グローバルに視線を向けると、EU圏では既にDIの標準化が進み、付加価値とは位置付けておらず、今後日本国内においても同じ状況になっていくものと考えます。弊社においても、従来の制御システムへのDIカスタム対応として、既に複数の実績を積んでおりますが、更に標準化への取り組みを進めております。同時にEU-GMPに適した21CFRPart11搭載のパネルコンピュータ―システムを打錠機の標準仕様として採用。特に新世代モデルのNEO・TABTRAN、【匠】シリーズTKR・TKSへの標準展開を進めております。よりグローバル志向の装置提供を目指し、お客様の選択肢の拡大に取り組んでおります。

●新世代モデルNEO・TABTRAN

 TABTRANの語源は、TABLET(錠剤)にTRANSFORM(変形)するという意味を持ち、粉体から錠剤へと変形する様をネーミングし、NEO(新しい)時代を切り開くという思いを込めた打錠機です。またTRANSFORMという言葉から連想する様に、かつてのステンレス鋼に身を包んだ重厚感あふれたデザインから脱却し、洗練された近未来的フォルムのデザインを採用した事で、皆様の医薬品製造現場を更に明るくする事が出来るものと期待しております。

 打錠機の要となる筐体は、錠剤成形時の圧縮力を効率よく受け止めることができる≪Ω(オメガ)フレーム≫を新たに採用。高剛性、低振動、低騒音に大きく貢献しております。またパワーユニットを大きくしたことにより、パワフル且つ安定した打錠を長時間維持することが出来ます。そして高い生産能力だけでなく、切換時の清掃性、分解時の操作性の大幅な向上を実現しました。かつての回転盤着脱式打錠機では、回転盤モジュール取出前に取り外しが必要な部品が多く、部品の仮置き場にも苦慮してきましたが、フィーダーを含むこれらの部品を1ユニット化する事で、部品の一括取り外しが可能となり、更に本体に組み込まれたタラップ上への引き出し可能な構造を採用。またスペアユニットを保有する事で、更に切換え時間を大幅に短縮する事も可能となります。

 煩わしかった部品の分解・清掃・組付は機外で実施する時代へ移行し、製造現場における新しいスタイルをご提案出来るものと確信しております。

●【匠】シリーズ最新上位機種 TKR-MS(回転盤着脱式中型打錠機)

 【匠】シリーズはグローバル市場を主戦場としており、JapanQualityを維持しながら、低価格+HI-SPECを実現したスタンダードモデルです。【匠】シリーズ第一弾TKS同様、従来型の打錠機を踏襲したステンレス鋼をボディーにまとい、作業者の動線を考慮したフラップ式ドアを採用。TKRではパワーユニットのスペックアップに加え、回転盤モジュールの着脱機能として、取り外しが安全で容易なタラップ昇降方式を採用しています。

 【匠】シリーズの大きな特徴として、打錠機への制御盤一体化により省フットスペースを実現。またTKSで実装を断念した従来型の錠重量制御装置APCON-PDは、TKRでは選択可能としました。これにより、打錠機単体生産に特化したアットラインでは制御盤一体型、周辺機器連動によるオンラインでは制御盤別置型と、ご使用目的に応じて選択可能としました。また国内では需要が少ないTSM-EU金型も対応可能です。グローバル化が進む昨今、国内外製造移管時の金型再製作のロスを軽減すべく、TSM-EUタイプの打錠機も是非ご活用ください。

●研究開発機能
 現在、顧客との連携により、新しい技術への取り組みも実施しています。もちろん医薬品産業以外においても、様々な粉体成形に取り組み、食品、産業用素材の成形機など、幅広い視野を持ち研究開発に注力しています。これまで培ってきたノウハウだけでなく、アカデミックな視点を持つ事で、定性的に分析できる技術力を養い、医薬品開発現場における問題解決に向けた提案や、製造現場における品質向上・効率化のお手伝いが出来るものと信じています。

 そして現在の固形製剤市場の厳しい情勢を乗り越え、さらなる創造と進化(真価)を求め、ジェネリック製薬業界、更には医薬品産業全体の発展に努めて参ります。

 

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