EN

月刊JGAニュース

編集後記  

 オミクロン株が猛威を振るっている。いままで経験したことのない感染力で、あっという間にほとんどの都道府県で過去最高を日々更新している。
 症状は軽症者が多いとは言え、感染予防対策をしっかり行い感染しないことが肝要である。
 さて感染予防対策の一番はマスクの着用である。電車通勤で周りを見渡しても、ほぼ 100%近い方はマスクを着用し、大声で話をする人は少ない。
 時よりマスクを着用していない人を見かけると、ドキッとするのは私だけでしょうか。
 マスクの着用率についてネットで調べてみると、なるほど文化の違いが垣間見える。
 ある民間の調査会社の調べでは、日本人は生真面目で、マスク着用が義務化されなくても 2020 年 3月の 1 回目の緊急事態宣言時の着用率は 62%、2 回目の緊急事態宣言時では 90%の方がマスクを着用している。欧米ではマスクを着用する習慣がなかったため、2020 年 3 月時点でアメリカでは 5%、カナダ 6%、フランス 12%と低かったが、流石に感染拡大し、マスク着用により感染予防効果が判明すると急激に着用率が増加し 2021 年 2 月上旬には欧米諸国のマスク着用率は 80%台まで上昇した。
 そんな中、2021 年 1 月時点で最も着用率が低い国は、スウェーデンで 29%だそうだ。何故低いのか気になり調べてみると、国土の広さが関係しているようだ。スウェーデンの国土はドイツ、デンマーク、ベルギーを合わせた広さなのに人口はその十分の一で、常に広々とした空間で、社会的距離(2m以上)は保たれているのでマスクは推奨していないようだ。
 マスクの原型が登場したのは 1836 年イギリスの医師が呼吸器疾患の人のために「レスピレーター(呼吸器)」として開発したのが始まりのようだ。
 そして、そのレスピレーターが日本へ入ってきたのが 1877 年ころで、日本で最も古いマスクの広告は下段のように「いわしや」から発売されている。
 余談だが「いわしや」の屋号が気になり調べてみると、日本橋本町には江戸時代から「いわしや」の屋号の薬種店が多数あったそうだ。明治に入り売薬規制が強化され医療機器へと業態転換を図り今日に至っているようだ。
 いずれにしても、マスクを外し深呼吸し、新鮮な空気を常に肺に取り込める日が早く訪れることを祈るのみである。

 (O・H)
 

PDFでご覧になる方はこちら