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令和4年度(2022年度)診療報酬改定「自家製剤加算」  

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 令和4年度(2022年度)診療報酬改定では、対物業務および対人業務を適切に評価する観点から、薬局・薬剤師業務の評価体系について見直しが行われ、薬剤調製料、調剤管理料、服薬管理指導料が新設されました。これまで、調剤料として評価されていた薬剤調製や取り揃え監査業務は、令和4年4月より薬剤調製料となり、自家製剤加算は薬剤調製料における加算のひとつに該当します。

 自家製剤加算とは、内服薬、屯服薬、外用薬について自家製剤を行ったうえで調剤した場合に算定できる加算です。ここでいう“自家製剤”とは、個々の患者さんに対し薬価基準に収載されている医薬品の剤形では対応できない場合に、医師の指示に基づき、容易に服用できるよう調剤上の特殊な技術工夫を行った場合を指し、既存の製剤を単に小分けする場合は該当しません。例えば、『錠剤を粉砕して散剤とする』、『主薬を溶解して点眼剤を無菌に製する』、『主薬に基剤を加えて坐剤とする』といったケースが該当します。

 医師の指示に基づき錠剤を分割する場合も“自家製剤”に該当しますが、令和4年度診療報酬改定では、錠剤分割時の自家製剤加算の点数および算定要件が変更になりました。
 従来は、割線のある錠剤を医師の指示に基づき分割した場合は錠剤として算定することができましたが、今回の改定では、錠剤を分割する場合は所定点数の100分の20に相当する点数へ変更となり、錠剤に対する割線の有無は算定要件として問われなくなりました。
 なお、「分割した医薬品と同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合は算定不可」、「自家製剤は、医薬品の特性を十分理解し、薬学的に問題ないと判断される場合に限り行うこと」という要件に変更はありませんので、実際に錠剤を分割して自家製剤加算を算定する際には留意してください。

◆  令和4年度診療報酬改定に係る疑義解釈資料(その1) 「自家製剤加算」抜粋

(問)自家製剤加算について、錠剤を分割する場合は、割線の有無にかかわらず、所定点数の100分の20に相当する点数を算定するのか。
(答)そのとおり

(問)自家製剤加算における「同一剤形」の範囲は、どのように考えたらよいか。
(答)内服薬の下記の剤形については、それぞれ別剤形として取り扱うこと。その他については、内服薬及び外用薬における「同一剤形」の取扱いと同様である。なお、本取扱いは、内服薬に係る自家製剤加算における考え方であり、例えば、調剤時の後発医薬品への変更に関する剤形の範囲の取扱いとは異なることに留意すること。
    ○ 内用薬
    ① 錠剤、口腔内崩壊錠、分散錠、粒状錠、カプセル剤、丸剤
    ② 散剤、顆粒剤、細粒剤、末剤
    (参考)「薬価算定の基準について」(令和3年2月10日保発0210第3号)別表1

(問)嚥下困難者用製剤加算及び自家製剤加算について、それぞれどのような場合に算定できるのか。
(答)原則として、処方された用量に対応する剤形・規格があり、患者の服薬困難解消を目的として錠剤を砕く等剤形を加工する場合は嚥下困難者用製剤加算を算定でき、処方された用量に対応する剤形・規格がなく、医師の指示に基づき自家製剤を行う場合は自家製剤加算を算定できる。

< 参考資料 >
○令和4年度診療報酬改定について : 厚生労働省
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00037.html
○診療報酬の算定方法の一部を改正する件 別表第三 調剤報酬点数表
 令和4年厚生労働省告示第54号
 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000907836.pdf
○診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 別添3
 令和4年3月4日保医発0304第1号
 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000923500.pdf
○令和4年度診療報酬改定に係る疑義解釈資料(その1)令和4年3月31日
 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000938947.pdf
○個別改定項目について : 令和4年2月9日 中央社会保険医療協議会総会
 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000905284.pdf
○令和4年度診療報酬改定説明資料等について : 厚生労働省
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00008.html

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 https://www.jga.gr.jp/jgapedia/column.html

 

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