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月刊JGAニュース

テイカ製薬株式会社  

 早いもので2022年も後半に入りました。新型コロナウイルス・オミクロン株による感染のピークは過ぎたものの、この原稿を執筆している6月の時点でも、全国的に新規感染者の発生は依然として続いています。コロナウイルスワクチンの3回目接種(ブースター接種)や治療薬の開発も進み、最近では死亡・重症化のリスクは少なくなり、発生当初と比べて医学的な脅威は収まりつつあります。しかしながら、感染に伴う業務(出勤)の停止など社会的な影響は重大であり、企業として、従業員とその家族だけではなく、取引先などのお付き合いのある方々に感染させないように引き続き感染防止対策に心掛ける必要があります。新型コロナウイルス感染拡大が収束し、早期に以前の生活・企業活動に戻れることを願っております。

 今月担当のテイカ製薬を紹介いたします。創業は1945年6月、江戸時代からの薬種商の流れを汲む第一薬品化成株式会社と株式会社帝国水産加工研究所が合併して帝国化成株式会社が誕生しました。1974年5月帝国化成を簡略にして「テイカ製薬」と社名を変更し現在に至ります。弊社の注力領域は、点眼剤、軟膏剤、貼付剤を主とした外用剤分野であり、「外用剤のスペシャリティファーマ」を目指し、お得意様の信頼を裏切らぬように、製品の製造・販売だけでなく、新製品の開発、品質保証、安定供給など製薬企業としての使命に対して社員一同日々尽力しています。特に品質面では、当社は2016年の製造販売承認書と製造実態の整合性に係る一斉点検で終わりとせず、その後も点検専任部署を設け、製造記録等の書面調査だけでなく、実地調査を実施することにより、より現場感覚に近い点検を自主的に続け、信頼性の確保に努めております。また、2021年4月には品質方針1)を制定し、品質に関して社員が遵守すべき行動を社内外に示しております。

 最近の製薬企業を取り巻く状況として、薬価の毎年改定、原材料価格・物流コストの上昇、品質・安定供給に対するニーズの高まりなどを受け、環境は一段と厳しくなっております。こうした状況の中で、個人的に「自助・共助・公助」という言葉に注目しています。もともとは東日本大震災を機に防災から生まれた言葉と記憶しますが、最近では社会保障分野でもよく耳にします。自らの健康は自ら維持するという「自助」、生活上のリスクに対して共同して備える仕組みが「共助」、それらでは対応できない状況に対して社会保障制度などで補完するのが「公助」です。この考えを製薬業界に当てはめるとどうでしょうか。薬価改定、原価の上昇、品質・物流コストの増加に耐えて収益を確保し、企業として存続するためには企業の「自助」努力が試されます。しかし、一企業だけでは乗り切れない問題に対しては目的を同じくする業界団体による「共助」の活動が、国や行政から「公助」を引き出すためには必要と感じます。今後も日本ジェネリック製薬協会に参画させていただき、業界団体活動を通じた「共助」の取り組み及び「公助」の獲得のお役に立てればと思います。

1) テイカ製薬株式会社ウェブサイト http://www.teika.co.jp/info/reliability.html

 

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