『医療用医薬品の流通改善に関する懇談会(第33回)』 が開催されました
この度「第 33 回医療用医薬品の流通改善に関する懇談会(以下、流改懇)」が開催されましたのでご報告いたします。
日 時:2022年6月29日(水)
場 所:AP新橋 D+Eルーム
議 題: 1. 流通改善の課題と進捗状況について
2. その他
配付資料:下記 厚生労働省ホームページにて公開されています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei_127251.html
従来からの論点であった「単品単価交渉」のゴールを「全品」と定めた上でロードマップを作り、優先領域を決めていくという方向性が確認されました。しかしながら、優先領域以外の製品で個々の製品価値を無視して一律に総価取引が進む懸念等の慎重論もあり、具体的な優先領域の検討には発展しませんでした。また、単品単価交渉を困難にしている価格交渉代行業者について、初めて実態調査が行われ、病院・調剤薬局が医薬品卸と結ぶ取引の内、11.7%に当たる取引で価格交渉代行サービスを利用している実態が明らかになりました。
これは医薬品卸売業連合会の加盟36社を対象とするアンケート調査で「価格交渉代行を行う者との交渉を経た取引」は200床以上の病院で18.5%、20店舗未満の調剤薬局チェーン又は個店で16.3%と多く、20店舗以上の調剤薬局チェーンは4.7%、200床未満の病院・無床診療所は2.7%という状況でした1)。流改懇では価格交渉代行サービスが増えているのは問題視され、今後も単品単価交渉を促進する為に、ワーキングチームで検討する事になりました。
また単品単価交渉の議論の中、使用施設や患者が限定的な希少疾病薬等の在庫管理や安定供給の為に増加している所謂「1社流通」を問題視する意見が相次ぎました。1社流通により価格交渉が出来なくなるという意見や、安定供給の妨げになる可能性があるので行政からの指導を求める等の意見もありました。今後は実務担当者が協議するワーキングチームで詳細を詰めた上で、改めて次回の流改懇で議論する見通しとなりました。
後発品に関しては、資料の中で4月薬価改定後のメーカーの仕切価改善率が後発品で上昇した割合が最も多いという結果でした。仕切価率上昇については、後発品が31.4%、新薬創出加算品が5.0%、特許品が7.7%、長期収載品が11.2%という結果でありました1)。この点に関しては、非常にアンバランスであり後発品メーカーにかなりしわよせがいっているのではないかという意見がありました。今回昨今の供給問題を大きく取り上げられる事はありませんでしたが、供給状況の用語の統一や協会全体で供給状況をホームページ上で確認できるスキームの構築等も進めていき、1日でも早い通常の出荷体制になっていくよう努めてまいります。
<引用資料>
1)厚生労働省:流通改善の課題と進捗状況等