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月刊JGAニュース

トーアエイヨー株式会社  

創業の地、飯坂町について

 私どもの会社は、親会社であり2014年に世界遺産に登録された富岡製糸場の最後の民間オーナーであった片倉工業株式会社が行っていた、蚕蛹からビタミンB2を抽出する研究を承継するかたちで、1943年、福島県福島市飯坂町の片倉製糸株式会社伊達工場にて創業を開始しました。扱った成分がビタミンB2(ビスラーゼ)ということで“栄養”という文字を入れ、東亜栄養化学工業株式会社(1982年に現在のトーアエイヨー株式会社に社名変更)という社名になったと聞いています。福島市は、江戸時代から「信達(福島盆地)蚕糸業地帯」として全国に名が知られ、養蚕業が盛んで、明治20年の東京・福島間の鉄道開通により、旧福島町は東北全体の生糸の中心地となりました。
 さて、私どもの福島工場(工場と研究所がある)がある福島市飯坂町には、飯坂温泉という温泉地があります。今回は、この飯坂温泉について皆さんに簡単にご紹介したいと思います。飯坂温泉は、奥州(東北)地方有数の古湯で、鳴子・秋保とともに奥州三名湯に数えられ、古くは「鯖湖の湯」と呼ばれていました。2世紀頃、日本武尊が東夷東征の際に病気の治療のために、1689年には松尾芭蕉が奥の細道の途中で立ち寄ったとされる歴史ある温泉地(泉質は単純温泉)です。また、飯坂温泉には、松尾芭蕉が入ったとされる鯖湖湯をはじめ共同浴場が9か所もあり飯坂の温泉のもう一つ楽しみ方ができます。共同浴場には何度か足を運びましたが、とても熱い(最低でも44℃、地元の方はこれが良いらしい)ですから覚悟して楽しんで下さい。ご当地グルメとしては、飯坂温泉といえば円盤餃子、餃子をフライパンに円盤状に並べて焼いて、お皿にそのまま盛り付けるのでその名前がついたとのこと。皮はパリッとあんは野菜たっぷりであっさり、何個でもいけます。そのほか飯坂ラーメン、かつ丼専門のお店等々、もちろんお洒落なcaféもあります。お土産の一押しはラジウム玉子、日本で初めて飯坂温泉で発見されたラジウム泉からこの名が付きました。黄身は半熟の固め、白身はトロっとした半熟で朝食のお供に最高です。また、福島市は全国有数のくだものの産地ですが(くだもの栽培に適した気候に加え、養蚕業が盛んだったころの桑畑が養蚕業衰退後の果樹園へと転換が進んで盛んになった)、飯坂温泉周辺も、くだものの栽培が盛んで、6月のさくらんぼからはじまり、桃、梨、ぶどう、リンゴと初夏から12月まで楽しめます。工場の周りにも果樹園がたくさんあります。また、近くに飯坂温泉と土湯温泉を結ぶフルーツラインと呼ばれる県道があり、道沿いに約50軒の果樹園が点在し、果物狩りを楽しんだり、直売所で旬のくだものを購入することもできます。車でいらした際は是非立ち寄って下さい。
 東日本大震災による原発事故の影響や新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で飯坂温泉を訪れる方が少なくなっているという話を耳にします。旧堀切邸など観光スポットもたくさんあります。ご家族と一緒に日頃の疲れを癒しに、是非、飯坂温泉にいらして下さい。こらっせ*飯坂!こらっせ*福島!

*:こらっせ:福島の方言でいらっしゃいという意味です。
参考:飯坂温泉オフィシャルサイト他

 

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