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月刊JGAニュース

温故知新  

 先日、子どもの運動会があった。入園して3回目の運動会となるが、初めての保護者参加だった。1・2年目はビデオや動画配信サイトを活用した共有であり、子どもの勇姿を直接見る事ができる貴重な機会に張り切って参加した。
 思えば保育園の対応もコロナ禍を通してかなり変化しているように感じる。入園した2020年は初めての緊急事態宣言もあり、エッセンシャルワーカー以外の園児はなるべく登園自粛するよう案内があった。園によってさまざまだと思うが、送り迎えも当初は先生が玄関に常駐してくれて子どもと荷物の受け取りだけに制限されていた。今は何度かの感染拡大を経て、教室の前まで保護者が迎えに行く体制まで戻りつつある。
 そんな登園スタイルひとつとっても激変させた新型コロナウイルス感染症であるが、一番大きく変化があったのはデジタル面ではないだろうか。冒頭に述べた運動会のビデオ配信対応はもちろんだが、オンライン診療・オンライン服薬指導は大きく進んだ数年だと思う。JGAニュース10月号(先月号)の知っ得!豆知識にもある通り、マイナンバーカードの保険証利用についても今後普及が進むと思われる。いずれ保険証とマイナンバーがリンケージされてPHR(Personal Health Record)が利活用されるための入口となるだろう。2019年、私が初めてPHRの存在を知ったときには、もっとずっと先の未来、2030年とかをイメージしていたが、医療、社会保障制度の改革はどんどん進んでいる。それでも日本はデータ利活用が遅れていると言われているくらいである。今後医療DXが進みオーダーメイド医療が当たり前になるような、当初私がイメージしていた未来はそう遠くないのかもしれない。
 とはいえ、温故知新の気持ちも忘れてはならないと思う。今、製薬業界の一員として、業界の未来を考える立場になり、様々な議論を目にするようになった。海外や新しいものと今の制度を比較して批判することは一見簡単であるが、日本の社会保障・医療制度はこれまで様々な経緯・歴史を経て今の形になっている。“古くからの”日本ならではの良さ、特長も生かしつつ、“今の”日本にはどんな制度が必要なのかという議論ができるよう、自身も鋭意勉強し、検討していきたい。
 実は運動会には、張り切った勢いでビデオカメラを購入して臨んだ。今時、スマホが主流で浮いてしまうかなと少し不安であったが、杞憂に終わった。まだまだビデオカメラを構えている保護者の方が多かった。保育園が撮ってくれるビデオや動画配信サイトも全体が見ることができてよかったが、自分で子どもをズームして撮るのも臨場感もありいい思い出になった。これからも新しいものと古いものをうまくバランスとりながら何事も考える姿勢を大切にしていきたい。

<参考>
健康長寿ネットホームページ PHR(パーソナルヘルスレコード)について
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/koreisha-ICT/PHR.html

(A.T)
 

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