フロイント産業株式会社
医薬品製造装置、医薬品・食品添加剤、食品品質保持剤の開発・製造・販売を行っておりますフロイント産業でございます。
昨今、ジェネリック医薬品メーカー様を始め製薬業界で顕在化している「生産労働人口の減少」「オペレーション技 術 伝 承」「ヒューマンエラー」など、“人”に関する課 題 へ のソリューションとして、2021年に新型錠 剤コーティング装置HICOATER HV( ハイコーターハイファイブ 以下HC-HV)1)を上市いたしました。
2021年9月のJGAニュースでは、製品のコンセプトと紐づくHC-HVの3つの特長(高性能、ユーザーフレンドリー、自働化システム)について概要をご紹介させて頂きました。
本ニュースでは医薬品製造装置としての性能にフォーカスし、定量的なデータを含めご紹介させて頂きます。
1)新型錠剤コーティング装置HICOATER HV(ハイコーターハイファイブ)URL:
https://www.freund.co.jp/product/lp/hc-v/index.html?utm_source=main+v&utm_medium=main+v&utm_campaign=HC-V2021
乾燥性能の向上
通気機構はコーティングパンのパンチングを介して乾燥エアをパン内に送風する方式を採用し、給排気チャンバ・パン構造を刷新した結果、ショートパス抑制による有効熱量率の向上、パン内へのコーティング基剤付着抑制を達成いたしました。
乾燥エアがスプレーミストを乱すことはありませんので、従来機よりも送液量を増やすこともでき、またパン内の汚れはほとんど発生しないため、洗浄時間の短縮や繰り返しの製造にも適応し、コーティング基剤コストや作業工数の削減に寄与いたします。
攪拌混合性能の向上
コーティングパンは撹拌混合性能に優れた8角形断面構造(以下、8角パンと省略)を採用しております。コーティングパンの形状に関しては、その他多角形パンや断面が丸形のコーティングパン(以下、丸パン)が考えられますが、8角形は多角形のメリットを最大限に発揮でき、規則的なバッフル配列により安定した撹拌状態を保ちながらコーティングを行う事が可能です。丸パンを採用しております従来機と比較テスト(理論存在率と実数の関係を確認し、ばらつき度合いを指標にし、撹拌混合性能を評価)を行ったところ、HC-HVはばらつきの少ない良好な状態となっていることを確認いたしました。
コーティング事例のご紹介
HC-HVおよび従来機にて同じ生産量となる130型を用いて、それぞれブリム量(静的条件にて装置の口元から錠剤が溢れない限界の量)の70%である130kgの錠剤に対してフィルムコーティングを行った結果をご紹介いたします。
前述の通り、従来機に比べ乾燥性能・攪拌混合性能を向上させたことから、送液量は従来機の240~360mL/minに対して、HC-HVでは360 ~ 540mL/minにて運転し、送液量の上昇分に見合う乾燥能力(給気風量)を与えてフィルムコーティング錠を製造しました。
コーティング基剤にはヒプロメロース(TC-5R)、マクロゴール(PEG6000)を用い、コーティング状態の経時変化を評価するため、コーティング液に食用色素黄色5号を添加しております。
結果は下図の通り、従来機に対してHC-HVはスプレー工程時間を約40%削減いたしました。両装置で製造したフィルムコーティング錠は、良好な均一性が得られる目安値となる変動係数(CV値)3%以下で錠剤間のばらつきが抑制されており、いずれの装置も高い品質レベルで製造できることを確認しております。
おわりに
新型錠剤コーティング装置HC-HVの性能にフォーカスし、ご紹介を行いました。本装置は、錠剤コーティング装置としての性能の高さだけでなく、作業工数の削減など高いユーザビリティを備え、また、自働化システムTACTによる自動運転でのコーティング終点管理により、人為的ミスの発生を防止し、GMPに準拠した品質管理も容易としております。
“人”に関する、また、“品質”に関する課題でお困りの方、オンラインでの製品の詳細ご説明や実機でのテストも可能ですので、お気軽にお問合せください。
【お問合せ先】フロイント産業株式会社 カスタマー事業本部 CS戦略企画部
(電話)03-6890-0769 /(E-mail)cssp@freund.co.jp
<ご参考>
日本ジェネリック製薬協会Wenサイト「会員メーカー一覧:賛助会員ページ」
https://www.jga.gr.jp/information/member.html