日本ジェネリック株式会社
日本ジェネリック株式会社は、日本調剤株式会社の100%子会社として、2005年に誕生しました。
当時、日本国内でのジェネリック医薬品の使用比率は欧米諸国に比べると格段に少なく、長期収載品が医薬品市場の大半を占めていました。日本の医療費削減のため重要な鍵は「ジェネリック医薬品の普及と推進」との見地から、自ら参入する事によってジェネリック医薬品市場拡大の役割を担おうと調剤薬局がゼロから立ち上げた個性的な会社です。
調剤薬局を親会社とする立場でもある事から、当社は設立以来、取扱品目の拡充やスキル・ノウハウ共有等の面で、多くのジェネリックメーカーの皆さまにご支援いただき、育てていただいた、との認識を持っており、本当に感謝しております。「現場薬剤師に最も近いジェネリックメーカー」として、引き続き、現場目線での「品質確保」と「安定供給」に徹底的に拘り、患者さま、医療従事者の皆さまの想いに応える医薬品企業として邁進していく所存です。
最近のジェネリック医薬品業界は、毎年の薬価改定影響に加えて、原材料・電気・物流コスト等の上昇等もあり、一段と厳しい環境である事を実感しています。個社で出来る取組みは躊躇なく進めていきますが、業界全体に係る課題も少なくなく、有識者の方々による「薬価制度そのもの」についての議論の行方も気になるところです。
調剤薬局を親会社とする立場で「薬価差」について考えると、医療機関・調剤薬局側の「改善・効率化のメリット」の話に行きつきます。個々の医療機関・調剤薬局に濃淡はあるにせよ、医薬品物流の改善・効率化の動きは進んできており、1回あたりの配送量UP、急配の廃止、適正在庫管理による返品抑制など、医薬品卸は勿論ですが、医療機関・調剤薬局側においても体制構築・維持が求められます。SDGs対応として、こうした取り組みは今後一層加速していくと思われますが、「配送コスト削減」に向けて取り組んだ医療機関・調剤薬局側のリターンが「単品単価」の枠組みの中で「医薬品の値引き」となり、「薬価差」として反映されるのであれば、メーカー側の負担は止まりません。医薬品物流効率化に対する医療機関・調剤薬局側の取り組みを別途きちんと評価する仕組みも必要であると考えており、調剤薬局の子会社という立場を活かしながら業界団体活動に参加し、医療の現場に貢献していきたい、と考えています。
2023年は、「癸卯(みずのと・う)」の年。「寒気が緩み、萌芽を促す年」であり、「今まで培ってきた自身の力が試される年」とも言われています。厳しい環境下ではありますが、「ジェネリック医薬品は医療・社会インフラである」との強い信念のもと、皆さま方と連携・協調して、この難局を乗り越えていく所存ですので、引き続き、よろしくお願いいたします。