日新製薬株式会社
日新製薬株式会社
https://www.yg-nissin.co.jp/
創 業 年 :1957年
代 表 者 名:川俣 知己
本社所在地:山形県天童市清池東二丁目3番1号
従 業 員 数:1,067名(2023年5月末現在)
【企業理念】
医薬品の製造販売を通じ各人のより良い生活の向上を目指し、
日日新たに自己研鑽し社業の繁栄を求め、もって社会・地域の発展に寄与すること。
2020年末から、当協会会員企業による不祥事を発端としてジェネリック医薬品の供給不安が発生し、協会として「ジェネリック医薬品の信頼回復に向けた取組み」について対外発表に努めて参りました。また、「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」における報告書が取り纏められ、具体策を検討する「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」が発足し、ジェネリック医薬品の供給不足を解消するための議論がなされています。
同業者の供給停止に対する補償生産は、本来、我々が果たさなければならない義務ではありませんが、ジェネリック医薬品を使用して頂いている医療関係者様、患者様の信頼に応えるため、各社懸命に増産に取り組んでいるところです。そもそも我々は、ジェネリック医薬品の使用割合80%に向けて、膨大な設備投資と人員確保に取り組んで参りました。ジェネリック医薬品の使用割合が80%に到達し、設備投資もひと段落という局面で、他社の供給停止が起こりましたが、供給余力を持たない状況でありましたので、3年を迎えようとする現在においても、供給量は充分と言えない状況となっています。
ジェネリック医薬品の信頼性について、これほど長く懸念されているのも、我々が十分な量を供給できていないからに他ありません。
こうした事態を受けて、我々は十分な生産余力を確保する必要性に迫られ、大幅な設備投資や他社の買収などの施策に取り組んでいますが、工場の建設にも遅れが発生し、生産設備の納期も大幅に遅れているのが現状です。
当社、日新製薬は、昨年4月に、同じ山形の協同薬品を買収しました。更に、これまで受託製造していた品目の委託会社の海外製造所への移管が完了し、20%程度生産能力が向上しました。更に、既存工場への設備投資並びに近隣に新工場の建設を行っており、全体で50%程度の生産能力向上となります。しかしなから、我々は現在、深刻な人手不足に直面しております。当社では、昨年1年間で83名の新入社員を獲得できましたが、67名の退職者が出ております。これは、時間外労働や交代制勤務に耐えられないというのが大半の理由で、供給不安解消の為にとは言え、無理な操業を強いてしまったことを後悔しているところです。
現在、各社が大幅な設備投資を行っておられますが、設備が増えても、これを稼働させる人員が確保できないのでは生産能力は向上しません。キャンペーン生産など、より効率的な生産に取り組むことで、従業員への負担を減らし、定着を図るようにしなければなりません。現在、「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」でも議論されている、品目の適正化は喫緊の課題として取り組むべきものと思います。