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月刊JGAニュース

2022年度 流通体制に関するアンケート調査結果  

【アンケート調査の概要】
調査方法  :会員会社へのMail発信による聞き取り調査
調査対象期間:2022年4月1日~ 2023年3月31日
調査実施期間:2023年7月1日~ 2023年7月31日
提出会社  :33社中33社(提出率:100%・未回答1社)

【前提条件】
〇会員各社の決算月が異なりますが、アンケートは直近2期分の決算の数字でご返答下さい。例えば3月決算の会社は2021年3月度決算と2022年3月度決算の数字を、12月決算の会社は2021年12月度決算と2022年12月度決算の数字をご記入下さい。
〇吸収合併など集計に影響を及ぼすと考えられる事項があった場合は、備考欄にご記入下さい。
 対象品目は承認品目とし、販売のみの製品は除いて下さい。また、原薬の販売や受託加工賃は含めず、あくまでも医療用医薬品の最終製品の売上高のみをご記入下さい。

・・・・・・・・・・・・・・調査結果・・・・・・・・・・・・・・・・

【質問1】貴社の医療用医薬品の販売金額と構成比
〇「A.ジェネリック医薬品(後発医薬品)」は、「診療報酬上の後発医薬品」(日本薬局方における「診療報酬上の後発医薬品」は含み、昭和42年9月末日以前承認品目は除く)を対象として下さい。
〇「B.先発医薬品」については、上記に該当しない医療用医薬品の売上をご記入下さい。

【コメント】
 有効回答社数31社の医療用医薬品の売上の合計は7,743億円、そのうちジェネリック医薬品の売上高は6,760億円で、前年度からの伸長は-0.3%、先発医薬品・その他の伸長は+14.9%、医療用医薬品全般
の伸長は+1.4%であった。(販売額ベース)
 先発医薬品・その他の伸長の理由としては、一部の後発品が基礎的医薬品に移行したことにより、「その他」の品目の売上げが増加していると思われる。また前年度に引き続き、ジェネリック医薬品の限定出荷が継続し、先発品を代替にした事も考えられる。

【質問2】「A.ジェネリック医薬品(後発医薬品)」について、ルート別年間売上と構成比

【コメント】
 回答のあった31社のジェネリック医薬品の売上は、販社ルートは横ばい、直販ルートは微減であったが、卸ルートの構成比は0.5%上昇した。逆に販売委託は構成比が低い中、0.5%減少した。

【質問3】施設別取引高と構成比(*質問2で①~③に売上があった会社のみ)。
○各社で把握しているもののみを記載して下さい(集計ができない場合は「未集計」に記載下さい)
○病院の売上の内訳(DPC対象病院・その他の病院)についても、可能な限りご協力ください。

【コメント】
 金額、構成比ともに突出した調剤薬局の伸長率は-1.0%であったが、全体の伸長率(-1.5%)よりは下げ幅は少なかった。構成比は低いが、その他の病院のみ伸長(+1.5%)。

【質問4】医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドラインの中の4流通当事者間
で共通して留意する事項 

(1)返品の扱いでは 
○ 品質の確保された医薬品の安定供給、不動在庫・廃棄コスト増による経営への影響、さらに偽造品流通
防止の観点から、返品条件を流通当事者間で事前に取り決めるよう、返品の取扱いに関する流改懇の提言
(平成 18年)を踏まえ、モデル契約書を参考に契約を締結すること。また、保険医療機関・保険薬局の在庫
調整を目的とした返品は特に慎むこと。
 と記載がありますが、貴社の返品ルールに関してお聞きします。

1)返品可の事例はどのような場合ですか?
 回答社数:32社
 ・(クレーム品等の)メーカー側の瑕疵があった品目(19社)
 ・(販売中止等の)経過措置品の流通在庫(13社)
 ・回収品(10社)
 ・輸送時破損・汚損品(8社)
 ・罹災品(7社)
 ・品目間違い・数量間違い(4社)
 ・期限切迫品(3社)
 ・収去品(2社)
 (その他意見)(各1社)
 ・剤型の著しい変更
 ・行政指導未対応品
 ・包装変更品
 ・不動在庫品で返品不可条件に当てはまらない製品。
 ・返品は、原則次の項目を全て満たすものに限って受け入れを可としています。
  1.使用期限が切れていないもの
  2.外観に汚損、破損がないもの
  3.開封されていないもの
  4.保冷品など温度管理が必要ではないもの
  5.麻薬、覚醒剤原料に指定された品目ではないもの
  6.経過措置が設定された医薬品で、経過措置期間が満了していないもの
  7.販売から返品までの間、常に室温で保管されていたもの
  8.販売後1年以内であるもの(営業本部長の指示があるものは除く)
 ・製品到着日より3ケ月以内に返品の申出を当社に行っており、その他未開封、保冷品ではない等付随する全ての条件に当てはまる場合
 ・新製品発売時に返品引き受けを条件に販売した製品
 ・相手側の強い希望

【コメント】
 自由回答であった為、回収品や罹災品・収去品等は返品が基本対応と思われ、回答には入れていない会社も多いと考えられる。次回はこの回答一覧を参考に選択肢を設け、条件等をより踏み込んだ設問にするのも一案と考える。

2)返品不可の事例はどのような場合ですか?
 回答社数:32社
 ・1)の返品可以外のもの(8社)
 ・(卸・医療機関等の)不動在庫(8社)
 ・(卸・医療機関等の)期限切迫品(7社)
 ・使用期限切れ品(6社)
 ・(製品入荷後の)汚損品・破損品(5社)
 ・開封品(5社)
 ・(販売中止等の)経過措置終了後一定の期間経過(4社)
 ・メーカー側の瑕疵が無いもの(4社)
 ・購入後一定期間経過(1週間・3カ月・半年)(3社)
 ・内容不足品(3社)
 ・保冷品(2社)
 ・(半年以上等)使用期限が残っているもの(2社)
 ・包装変更品(2社)
 (その他意見)(各1社)
 ・契約書に基づく基準にないもの
 ・発注ミス
 ・現行ロットよりも古い製品
 ・新発売製品
 ・特約店からの購入実態のない製品(販社・現金問屋)

【コメント】
1)同様に自由回答であった為、客観的に返品不可と認識されているものは回答していない可能性もある。その中で医療機関や卸からの不動在庫や期限切迫の回答が多かったのは、それだけ問い合わせや依頼が多くある事が推察される。現在先発品メーカーでもメーカー側の瑕疵に基づく返品以外は受けつけない会社が増えており、ジェネリックメーカーも同様に一定ルールに基づいた対応の必要性を感じる。

【質問5】貴社の製造中止品目に関して

E:「その他」を選んだ場合の具体的な理由
 ・販売量が少ないため・需要僅少したため…3社
 ・昨今の後発医薬品企業の安定供給問題、また自社のこれまでの供給不安定の事例の反省から、同種品の供給会社が多く、市場シェアの低いジェネリック医薬品の供給を停止し、そこに掛かる生産・品質管理、サプライチェーン管理、副作用情報の収集・提供などのリソースを、弊社シェアや医療上の必要性が高く、供給問題が医療に与える影響が大きい製品(精神神経科系の製品、ジェネリックの上市会社数が少ない製品)に振り分けることで、確かな製造管理、品質管理を行い、安定供給を果たすことを目的に、供給停止を決断いたしました。
 ・同成分異剤形品の統合、同成分異屋号品の統合
 ・設備の老朽化による製造中止
 ・先発医薬品の販売中止。委託先の製造中止。自社アンプル製造設備の廃止による製造移管先が見つからなかった為。
 ・他社への承継
 ・委託先の製造上の都合により
 ・より高いシェアの品目や重要度の高い品目に注力するため。
 ・製造委託先での製造状況が不安定であり、今後供給不安を起こす可能性が非常に高いことから、市場の混乱を最小限とするため。

【コメント】
 製造中止品目数および包装単位の一部の製造中止品目数は1期前の決算と比較して明らかな増加傾向が見られた。また包装単位の一部製造中止がより多かった事から、中止理由で1番多かった不採算に加え
て、供給不安対策として少しでも供給量を増やすために繁用の包装単位に特化する傾向が見られる。

 

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