59年ぶり
本稿を入力している今は、野球のクライマックスシリーズがおわり、日本シリーズを迎える時期である。
思えば以前の編集後記も、野球について書かせていただいた。「また野球か~」とも思ったが、このことを書くこともそうそうできることではなさそうなので、ご容赦を。
セリーグは18年ぶりの阪神、パリーグはオリックスの優勝である。筆者は阪神ファンなのであるが、やはり18年ぶりというのは感慨深い。2005年のときは、現地・甲子園にて阪神-巨人戦を目の当たりにし
た。今年も阪神-巨人戦での優勝であるが、今回はテレビのある居酒屋で観戦し、他のお客さんと優勝の瞬間に会い、盛り上がった。
日本シリーズに目を向けると、「阪神なんば線シリーズ」とも称され、両チームの本拠地は電車で最速16分という近距離である。関西勢同士の日本シリーズは59年ぶりと、タイミングによっては生きている
間に1度みられるか、というところか。
さて、今年の阪神は球団最速、NPB全体では3番目(ちなみに4番目は2003年の阪神)、試合消化率でも4番目という記録であった。そんな阪神の強さであるが、その要因は様々、皆様の中でもいろんな意見があるだろうが、個人的な意見として受け止めていただきたい。
筆者が注目したのは、四球(フォアボール)での出塁数の多さである。もちろん今年は阪神がTOPなのであるが、その背景だ。岡田監督の方針で四球での出塁の査定をアップしたのだ。この四球、もちろんヒット(単打)での出塁と同じである。また、相手投手の投球数も稼げるし、精神的ないやらしさもあるだろう。
なにより、チームとしての方針がきちんと行き届き、その時その時で何をしないといけないか、その役割を個人個人が理解し、浸透した結果ではないだろうか。もちろん、選球眼などの個人スキルも必要なのは確かであるが、チームとして同じ方向に向いた強さ、はあると思う。打線を固定したのも、そこに寄与しているのではないかと思う。
この「チームとして同じ方向を向いた強さ」というのは野球、スポーツに限ったことではなく、組織としてもそうだろう。会社で言えば、一部署、本部、会社全体としても言えるし、ひいてはもっと大きな団体としてもそうだろう。大きくなればなるほど難しくなると思うが、一つの目標を目指すとき、それぞれの長のもと一丸となって事に当たることが重要で、光明もみえてくるのではないだろうか。