情報コンテンツの信頼性について
元日に能登半島地震、2日には羽田空港で日本航空516便衝突炎上事故が起き、大変な新年のスタートになりました。被災者や被害者の方々、正月三が日を返上で対応してくださった方々、そして現在も復旧作業に尽力されている方々の苦労を思うと、言葉になりません。
年末年始は東北にある実家に帰省していました。実家では新聞を紙で購読しているので、この2つの大きな出来事を活字で読むことができました。ラジオは聞いていませんでしたが、テレビや各社新聞の電子版と、SNSも見ました。
さまざまな情報源を見比べると、東日本大震災など、過去の災害時のノウハウが蓄積され、活用されている伝統的なメディアが一定の信頼性を確保しているのに対し、SNSではさまざまな臆測やデマが行き交っていました。
例えば旧Twitter(現X)は、2023年8月以降、表示数が一定以上の投稿は収益化されるようになったため、これを悪用するアカウントが多数ありました。
一方、「こういうものがあって助かった」「こういうものは必要なかった(千羽鶴や古着など)から送らないでほしい」「こういうものをもっと増やしてほしい(生理用品など)」という過去に被災を経験した人の声や、物流に携わる人などの「現地で負担にならない支援物資の送り方」を解説する、有益な情報も投稿されていました。
羽田空港の事故に関しては、パイロットや客室乗務員、航空管制官を名乗るアカウントの中で、「緊急時にはどんな荷物も置いていかなければならないため、ポケットの多い服を着て最低限の貴重品を身につけておく」という客室乗務員経験者からのアドバイスが印象的でした。スマートフォン、家の鍵、財布、海外であればパスポ ートを身につけ、必ずズボンで(スカートは×)、走れる靴にする(ヒールのある靴は×)のが大切だそうです。
このように、あふれる情報の中で、専門家を名乗る人からの情報や、伝統的なメディアから発信される情報は、自然と参考に、信頼している自分に気が付きました。
私たち製薬会社は、品質の担保された医薬品を安定的に供給する中で、人々の健康と幸福に貢献することを使命としています。そのためには、医療関係者や患者様に信頼していただくことがなにより重要ですが、相次ぐ不祥事や自主回収や出荷停止による品質や供給管理体制の懸念など、課題が山積しております。
私たちは、これを一部企業の事象ではなく業界全体として解決することで、皆様が安心して生活できる未来のために、信頼回復に向けた活動をしていかなければなりません。一方で、現在の状況を考えると、医薬品情報を迅速かつ正確に提供し、必要な情報を得る手助けとなるような発信をしていかなければならないと考えています。
最後に、この困難な時期においても、皆様の温かいご理解とご協力に心より感謝申し上げます。被災地の皆様の一日も早い復興を心よりお祈りしております。