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月刊JGAニュース

フロイント産業株式会社  

 フロイント産業は2024年4月22日に、創立60周年を迎えました。これもひとえに、お客様や取引先をはじめとしたステークホルダーの皆様のご支援の賜物と、心より感謝申し上げます。
 「創造力で未来を拓く®」という企業理念のもと、この度改めて当社が目指す姿を描き、国内外のグループ会社と共通の新経営ビジョンを策定しました。
 「なくてはならない」技術に挑み、健やかで潤いのある生活を支える。これからも 弊社のお客様と、その先にいらっしゃる患者様やユーザーの皆様の健康と豊かな未来を実現するため、新しい技術の開発や付加価値創出への挑戦を続けてまいります。今後とも一層のご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

データインテグリティ対応システムSmart DI

 2015年に英国MHRAからデータインテグリティ(DI)のガイダンスが発出されてから、DIに関する動きが当局においても業界においても急激にあわただしくなってきています。
 しかし、製剤設備のDI対応は進展が鈍く、一部の欧米メーカーのものを除いて、DI対応システムを搭載している設備はほとんど見られませんでした。
 これは製剤設備で発生するデータは製品出荷に関する点で、二次的な意味合いが強かったこと、多くの会社はどこまでDI対応を行ったらよいかが不明確であり、他社もしくは製剤機械メーカーが対応するのを待っている状態であったことなどが理由と考えられます。
 そこで弊社は様々な医薬品メーカーの皆様に対して製剤機械を納入した実績とノウハウを用いて<Smart DI>を開発いたしました。(特許第7448937号:医薬品製造システム、及び医薬品製造方法)

 

特長

①間違い・改ざんの防止

 設備でデータを自動記録することにより、手書きによる書き間違い・改ざんを防止出来ます。
市販品を組み合わせたシステムではありますが、プログラムを工夫することによるバイナリデータでの保存、自動PDF出力などによりデータを改ざんできないように保護しています。
 また、データの生成から保存に関しては、設備制御盤内で完結しているため、ネットワーク障害や電源トラブルがあった場合でもデータの消失を防ぐ手立てとなっています。

②スモールスタート

 制御盤PLCおよびタッチパネルに市販品を組み合わせた最小構成でのシステム構築が可能です。

③ラインナップ

 Smart DIは3つのラインナップを設けております。最小グレードであれば既設制御盤の改造のみで導入が可能です。導入後に上位グレードへバージョンアップすることも可能なため、様々なお客様のご要望に対応できます。

④使い慣れた操作性

 既にお使いいただいている設備に対してSmart DIを導入いただく場合、タッチパネル操作の変更はありません。設備操作を開始する際にログインするのみで普段通りお使いいただけます。
 人が記録する部分を極力少なくし、間違いを抑制することはGMPの原則にも含まれます。また、人では取り切れないデータを自動的に製剤設備自身に記録させることで、品質の維持にも貢献できるSmart DIの導入は、GMP準拠と医療医薬の安全・安心の発展に貢献できると確信しています。

 

おわりに

 データインテグリティ対応システム Smart DIのご紹介をさせていただきました。ただ、データインテグリティはシステム側の対応だけではなく、扱う人の教育も重要です。
 2024年より弊社では「フロイント技術セミナー」を開催する運びとなりました。
 今年のテーマは「造粒の基礎~スケールアップとトラブルシューティング」です。講義の他、弊社浜松テクニカルセンター内に設置されたデモ機を用いての実習を通して造粒のメカニズムやスケールアップについて学んでいただけます。
 年3回の開催を予定しておりますので、ジェネリック医薬品メーカーの皆様に是非ご参加いただきたくお願い申し上げます。
 3回ともに同じ内容を予定しておりますのでご都合が良い日を選択していただき、オペレーター研修としていただけたら幸甚です。

 その他、ジェネリック医薬品メーカーにご訪問させていただき、オンサイトでの個別セミナーも開かせていただいております。その中で装置内部品のメンテナンス方法実演が非常にご好評をいただいております。
是非お気軽にお問い合わせください。

 弊社では、モノからサービスの提供へシフトするべく注力しております。「人」や「品質」に関する課題でお困りの方、オンライン上での製品の詳しいご説明や実機でのテストも可能ですのでお気軽にご相談いただけますと幸甚です。
 今後とも弊社フロイント産業株式会社を何卒よろしくお願い申し上げます。