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月刊JGAニュース

根尾のサクラ  

 仕事柄出張が多く、これまで日本全国いろいろなところへ行かせていただき、ありがたいことに、すべての都道府県の地に足を付けている。とはいえ、仕事で行っている以上観光に赴けるわけでもなく、目的地や宿泊地の近辺で食事をしたりする程度がほぼほぼである。

 いろいろなことに興味がある方ではあるが歴史はとくに好きで、歴史小説を読み漁り、行ったことのない土地や存在していない時代の人物や出来事にいつも思いをはせている。それに関連して城にも興味があり、行ってみたいところは数多く存在している。

 というように書いていると、いろいろなところに行ってその土地の歴史を感じ、城を見に行くといったことをしていそうであるが、実際は真逆である。出不精ということではないが、行きたい、行きたいと思いながら、プライベートの旅行にはとんと行っていない。自分一人でもふらっと出かければいいし、そういったことが嫌いではないのだが、なかなか実現できていないのが現状である。

 そんな中、仲が良くすごくお世話になっている先輩の家族旅行に誘っていただいた。一人で紛れ込ませていただいたのだが、ルートは犬山城⇒華厳寺⇒根尾にて宿泊⇒博物館 明治村⇒岡崎城という愛知県・岐阜県のルートであった。犬山城、岡崎城は城好きとしてはもちろんよかったが、博物館 明治村では文明開化を象徴する明治時代を中心とした建造物を保存・展示する野外博物館であり、さまざまな歴史建物が移築されていて1日楽しめる(というか、1日で全て見るのは難しいかも)。名古屋城内に置かれた陸軍名古屋鎮台の附属病院の名古屋衛戍病院が移築されており、大正7年(1918年)に開発されたレントゲンの高性能国産機「ダイアナ号」は非常に興味深かった。先輩の娘さんと謎解きのイベントに参加したが、敷地内のいろいろな場所を巡りながら謎を解いていくので、非常に楽しめた。

 そして、宿泊はたまたま空きの関係で根尾に宿泊したが、早朝に根尾谷淡墨ザクラを見に行った。これがすごかった。樹齢1500年を誇る桜で、今まで見た桜のスケールとは違った。山梨県の「山高神代桜」と福島県「三春滝桜」と並んで日本三大桜のひとつに数えられ、国の天然記念物に指定されている。傘をさすほどでもない小雨の中であったが、それもまた風情がよかった。このような桜に出会えたことは嬉しく、他のスポットも含めて満喫できた1泊2日の旅行であり、かなりの歩数あるいたが、日ごろの疲れをいやしていただいた。

 と、めったに行かない旅行についてつらつら綴ってきたが、根尾の淡墨ザクラはスケールが大きかった。ぜひ、一度見に行かれてはどうかお勧めする。

 

 

根尾谷淡墨ザクラ(筆者撮影)
根尾谷淡墨ザクラ(筆者撮影)
(Y.S)