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月刊JGAニュース

「品質文化醸成度評価ツール」の提供について  

品質委員会

 日本ジェネリック製薬協会品質委員会においては、ジェネリック医薬品の信頼回復に向けた取組みの一環として、東京理科大学の全面協力のもと、品質文化醸成度の評価指標を作成し、2022年度に当該評価指標を用いたアンケートを実施しました。アンケート結果より各社における品質文化の醸成に向けた取組みは進みつつあることを確認するとともに、品質文化の醸成に対する意識は階層(経営陣、管理職、非管理職)によって異なること、要員や設備等の資源配分はまだ十分ではないことなど改善が推奨される事項を可視化できました。

 当該評価指標については、日本ジェネリック製薬協会における実施結果とともに、共同開発いただいた東京理科大学薬学部により論文公表されました。Ref: PDA J Pharm Sci Technol. 2024 Feb 20;78(1):45-69.

 当該評価指標は、業界団体の平均値との比較による個社の企業状況を把握するのみではなく、個々の企業における従業員の階層別や職務経験による品質文化醸成度の違いを把握することができ、企業内の品質文化醸成度の確認を行えるツールになると考えられ、東京理科大学薬学部、富山大学薬学部とともに個々の企業で活用いただける「品質文化醸成度評価ツール」を作成し、5月に会員企業へ配布致しました。

 また、研究成果として当該評価指標や日本ジェネリック製薬協会における実施結果、評価ツールについて東京理科大学および富山大学よりインターフェックス等において品質文化の醸成に関する講演にて紹介いただいたところ、聴講者より当該評価指標の使用を希望する意見をいただいたことから、6月13日から日本製薬団体連合会を通じて、日薬連傘下の製薬団体や会員企業に対し、評価ツールの無償提供を始めました。 

 7月末の段階で、350社以上のアクセスがあり、各企業の関心の高さが窺えます。この評価ツールが、他の製薬業界・製薬企業においても品質文化醸成の一助になることを願っています。