自家製剤加算について
自家製剤加算とは、内服薬、屯服薬、外用薬について自家製剤を行ったうえで調剤した場合に算定できる加算です。ここでいう“自家製剤”とは、個々の患者さんに対し薬価基準に収載されている医薬品の剤形では対応できない場合に、医師の指示に基づき、容易に服用できるよう調剤上の特殊な技術工夫を行った場合を指し、既存の製剤を単に小分けする場合は該当しません。例えば、『錠剤を粉砕して散剤とする』、『主薬を溶解して点眼剤を無菌に製する』、『主薬に基剤を加えて坐剤とする』といったケースが該当します。
令和4年度の診療報酬改定では、医師の指示に基づく錠剤分割時の自家製剤加算の点数および算定要件が変更になりました。錠剤を分割する場合は所定点数の100分の20に相当する点数へ変更となり、錠剤に対する割線の有無は算定要件として問われなくなりました。この内容は、令和6年度診療報酬改定後も変更ありません。
さらに、今回の令和6年度の診療報酬改定では、自家製剤加算について、医薬品供給に支障が生じている際に不足している医薬品の製剤となるよう他の医薬品を用いて調製した場合も評価できるように改正がされました。
調剤報酬明細書の記載方法につきましては、「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について(通知) 別表Ⅰ(調剤)をご確認ください。
また、関連する診療報酬改定の内容として薬剤調製料における薬剤調製行為の評価を整理する観点から、嚥下困難者用製剤加算に係る評価を廃止して、飲みやすくするための製剤上の調製を行った場合の評価は自家製剤加算における算定のみとなりました。
なお、「自家製剤は、医薬品の特性を十分理解し、薬学的に問題ないと判断される場合に限り行うこと」という要件に変更はありませんので、実際に自家製剤加算を算定する際には留意してください。
< 参考資料 >
○令和6年度診療報酬改定について : 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00045.html
○診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 別表第三 調剤点数表
令和6年厚生労働省告示第57号
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001218733.pdf
○診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 別添3
令和6年3月5日保医発0305第4号
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001293314.pdf
○個別改定項目について : 令和6年2月14日 中央社会保険医療協議会総会
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001220377.pdf
○「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について(通知)
令和6年3月27日保医発0 327第5号
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001293318.pdf
○JGAニュース 2022年6月号 知っ得!豆知識
令和4年度(2022年度)診療報酬改定「自家製剤加算」
https://www.jga.gr.jp/information/jga-news/2022/170/06.html