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コンソーシアムについて  

政策委員会政策実務委員会

 本記事は、コンソーシアムという用語の基礎的な知識を提供するものであり、業界全体のコンセンサスを反映した定義を示すものではありません。

コンソーシアムについて
 「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」において、後発医薬品産業の在るべき姿の実現に当たり、4つの対策の方向性が報告書内で示され、個々の後発医薬品企業と産業全体が自らのイニシアティブで進めていくべきであるとされています。その4つの対策の方向性の中の1つに「企業間の連携・協力の推進」があり、後発医薬品各社が生産効率や収益性を向上させていくためにも企業間の連携・協力や役割分担、コンソーシアムや企業統合などを検討すべきとされています。

 

<出典>後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会報告書(概要)

コンソーシアムとは?
 コンソーシアムは、共通の目的やプロジェクトを達成するために、複数の企業や組織が協力して結成する協定や連合のことです。例えば、大学コンソーシアムでは、複数の大学が共同で教育や研究の質を向上させるために協力します。また、企業コンソーシアムでは、技術開発や市場拡大を目指して企業同士が連携することがあります。

 コンソーシアムと混同しやすい用語にジョイントベンチャーとアライアンスがあります。ジョイントベンチャーとは、複数企業が共同出資を行って設立した新しい会社です。またアライアンスとは、利害が一致する企業が独立性を保ったまま業務提携する体制を言います。ジョイントベンチャーやアライアンスは、利益の獲得を主目的とし、利害が一致する企業間で連携する一方、コンソーシアムは、ある目的を達成するための協力体制でありライバルとなる企業とも連携する場合があります。
<参考>日本から薬が消える日 著者:武藤 正樹

コンソーシアムの起源
 コンソーシアムは、ラテン語の「consortium」(共同体、提携)に由来します。この言葉は、共通の目的を持つ複数の個人や団体が協力して活動することを意味します。歴史的には、コンソーシアムは主に学術や研究分野で発展しました。

日本におけるコンソーシアム
 日本では、1994年に設立された「大学コンソーシアム京都」が有名です。このコンソーシアムは、京都市内の大学が協力して教育や研究の質を向上させるために設立されました。その後、全国各地で同様の大学コンソーシアムが設立され、地域社会との連携を強化しています。
 <参考>公益財団法人 大学コンソーシアム京都 ホームページ
https://www.consortium.or.jp/

コンソーシアムのメリットとデメリット
 共通した目的のために複数企業や組織が協力するコンソーシアムでは、1つの企業だけでは得られないメリットがあります。以下に考えうるメリットを示します。

  1. 資源の共有: 各組織が持つ資源を共有することで、効率的なプロジェクト運営が可能になります。
  2. 専門知識や技術の活用: 参加者の専門知識や技術を組み合わせることで、より高度な問題解決が期待できます。
  3. コスト削減: 共同での取り組みにより、コストの分散や削減が可能です。
  4. リスク分散: 複数の組織が協力することで、リスクを分散させることができます。

一方でデメリットもあります。

  1. 意思決定までのスピード:複数企業や組織の方向性を一つにする必要があり、意思決定までにある程度の時間を要する場合があります。
  2. 利益やリスクの分配: コンソーシアム参加企業の立場は基本対等であり、参加企業が多くなればなるほど、利益やリスクの分配調整が難しくなります。

 <参考>日本から薬が消える日 著者:武藤 正樹