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月刊JGAニュース

医療用医薬品の供給停止および薬価削除について  

 後発医薬品産業全体の構造的な問題、少量多品目生産の適正化の観点から、薬価基準に収載された医療用医薬品について、供給停止及び薬価基準からの削除(以下「薬価削除」という。)手続きの明確化および、一定の条件の下でその手続きを簡素化についての通知が発出されました。

 ただし、通知内のうち「4.承継品目について」及び「5.代替新規について」については、令和6年12 月以降に厚生労働省に対し薬価削除願が提出される医療用医薬品に対し、「6.G1品目について」については、2025 年度以降に薬価削除願が提出される医療用医薬品に対し、また、「7.経過措置期間の延長について」については、2025 年度以降に経過措置期間の延長願が提出される医療用医薬品に対し、それぞれ適用されます。

※医療用医薬品の供給停止及び薬価削除について(令和6年8月7日付け医政産情企発0807第1号・保医発0807第2号厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課長及び保険局医療課長連名通知)
 医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議(第14回)参考資料4
 https://www.mhlw.go.jp/content/10807000/001285978.pdf

本稿では取得が必要となった代替供給了承文書と学会了承文書のポイントをご紹介します。詳細やその他項目、様式などについては通知をご参照ください。

●供給停止事前報告書および薬価削除を希望する際の代替品供給企業からの文書取得について
 供給停止及び薬価削除を希望する品目について、その代替品に対し説明を行い、代替供給企業がそのシェア(同一成分、剤形、含量及び効能内のシェアをいう。)に相当する数量を代替供給することについて、代替供給企業から文書(「代替供給了承文書」)による了承を得る必要があります。なお、以下の点に留意が必要です。

 

○ 代替供給了承文書については、代替供給企業に対し、別添参考様式1を参考に作成を依頼すること。代替供給企業が自社である場合も同様とする。
○ 供給停止及び薬価削除を希望する医療用医薬品が先発品であり、その代替品がその後発品となる場合には、当該先発品の製造販売業者及び当該後発品の製造販売業者は、当該先発品の製造販売業者が有する社内資料の引継ぎ等に係る協議を行うこと。

 

 また、薬価削除を希望する品目について、代替供給企業の合意のもと、後発品の安定供給確保のための少量多品目生産の適正化を目指したものと考える場合は、代替供給了承文書において、その旨を明記します。

●供給停止事前報告書および薬価削除を希望する際の学会文書について
 供給停止及び薬価削除を希望する品目については、そのシェア及び代替品について学会に対し説明を行い、当該品目の供給停止に向けた手続きを行うことを、学会から文書(学会了承文書)による了承を得ることが必要です。なお、次に掲げるア)からウ)までのうち、該当する全ての学会から当該了承を得ることとなります。

 

ア) 次に掲げる学会のうち、対象品目の使用が想定される学会
 日本内科学会/日本小児科学会/日本感染症学会/日本消化器病学会/日本循環器学会/日本精神神経学会/日本外科学会/日本整形外科学会/日本産科婦人科学会/日本眼科学会/日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会/日本皮膚科学会/日本泌尿器科学会/日本腎臓学会/日本医学放射線学会/日本化学療法学会/日本麻酔科学会/日本脳神経外科学会/日本形成外科学会/日本臨床検査医学会/日本消化器内視鏡学会/日本胸部外科学会
イ) 小児領域など、対象品目が臨床現場において保険適用外で使用されていることを製造販売業者が把握している場合、その使用が想定される学会
ウ) ア)及びイ)のほか、製造販売業者が把握している、対象品目の使用が想定される学会

 

(留意事項)
○ 学会了承文書については、学会に対し、別添参考様式2を参考に作成を依頼すること。
○ 学会における標準検討期間は3ヵ月とし、それを前提に余裕をもって必要な対応ができる十分な期間を設けて学会に対し検討依頼を行うこと。

 

 ただし、供給停止を希望する品目が、代替品が存在し、かつ過去5年間の平均シェアが3%以下の品目(被代替可能シェア寡少品目)に該当すると製造販売業者が判断する場合は、学会に対する当該品目の供給停止に関する検討依頼及び学会からの学会了承文書の受領を行わなくてもよい。