2024年度 流通体制に関するアンケート結果
【アンケート調査の概要】
〇調査方法 :会員会社へのMail発信による聞き取り調査
〇調査対象期間 :2023年4月 1日~2024年3月31日
〇調査実施期間 :2024年7月19日~2024年8月23日
〇回答提出社数 :29社中28社(提出率:96.6%・未回答1社)
【前提条件】
〇会員各社の決算月が異なりますが、アンケートは直近2期分の決算の数字でご回答下さい。
例えば3月決算の会社は2023年3月度決算と2024年3月度決算の数字を、12月決算の会社は2022年12月度決算と2023 年12月度決算の数字をご記入下さい。
〇吸収合併など集計に影響を及ぼすと考えられる事項があった場合は、備考欄にご記入下さい。
対象品目は承認品目とし、販売のみの製品は除いて下さい。また、原薬の販売や受託加工賃は含めず、
あくまでも医療用医薬品の最終製品の売上高のみをご記入下さい。
・・・・・・・・・・・・・・調査結果・・・・・・・・・・・・・・・・
【質問1】貴社の医療用医薬品の販売金額と構成比
〇「A.ジェネリック医薬品(後発医薬品)」は、「診療報酬上の後発医薬品」(日本薬局方における「診療報酬上の後発医薬品」は含み、昭和42年9月末日以前承認品目は除く)を対象として下さい。
〇「B.先発医薬品、その他」については、上記に該当しない医療用医薬品の売上をご記入下さい。
【コメント】
有効回答社数27社の医療用医薬品の売上の合計は8,545億円、うちジェネリック医薬品の売上高は7,531億円で、前年度からの伸長率は+6.9%であった。先発医薬品・その他は+16.3%で、医療用医薬品全般は+8.0%であった (販売額ベース)。
先発医薬品・その他の売上が伸長しているのは、後発品の一部が基礎的医薬品に移行したことが理由として考えられる。
【質問2】「A.ジェネリック医薬品(後発医薬品)」について、ルート別年間売上と構成比
【コメント】
回答のあった27社のジェネリック医薬品の売上伸長率は、卸ルートで+8.1%、販社ルートで+2.0%、直販ルートで+17.7%であった。販売委託は約10%減少した。売上構成比では卸ルートが0.5%伸長し、販社ルートが1%減少、直販ルートが約1%伸長している。
販売ルート別の取引社数は卸が23社、販社が18社、直販が10社であり、取引が卸のみの企業は5社、販社のみの企業は1社であった。また他社に販売委託している企業は14社あり、うち取引が販売委託のみの企業は3社であった。
【質問3】施設区分別取引高と構成比(*質問2で①~③に売上があった会社のみ)。
○ 各社で把握しているもののみを記載して下さい(集計ができない場合は「未集計」に記載下さい)
○ 病院の売上の内訳(DPC対象病院・その他の病院)についても、可能な限りご協力ください。
【コメント】
金額、構成比ともに突出している調剤薬局の伸長率は+6.4%であった。他ではDPC病院が+1.7%、診療所が+1.2%伸長している。
【質問4】返品ルールについて
1)返品可の事例はどのような場合ですか?
回答社数:27社
<その他の意見>
・新製品発売時の返品協議品目 ・返品の引き受けを条件に販売した品目
・販売中止の案内から2年以内の品目 ・弊社が返品を依頼した品目
・期限切迫で出荷した製品
・閉院、処方切替え、処方中止品
・弊社製造所(製造工程)が起因となった品質問題の製品
【コメント】
基本的にメーカー側に何らかの瑕疵があった品目については全ての企業が返品可としている。その他の意見として、新製品発売時の返品協議がなされている場合や閉院、処方切替えなどについて返品対応している事例があった。
2)返品不可の事例はどのような場合ですか?
回答社数:27社
<その他の意見>
・注文誤り
・上記の返品不可は、ほとんど該当するが、原則『基本的には』が入る。特別な理由がある場合等、申請理由によっては返品可となる場合がある。
・返品の申し出から5営業日以上経過して返品される場合等
【コメント】
前回その他の意見で多かった事例を選択肢に加えた結果、多くの企業から回答を得られた。一方で「(販売中止等の)経過措置品の流通在庫」「期限切迫品」「内容不足品」「包装変更品」など企業によって返品の可否判断が異なる事例もあった。
【質問5】貴社の製造中止品目に関してお聞きします。
①1期前と直近年度の製造中止品目数 ※一部の包装単位のみの中止は含みません。
回答社数:28社
②直近決算の製造中止の理由と品目数(理由非開示1社)
G:「その他」を選んだ場合の具体的な理由
・昨今の後発医薬品企業の安定供給問題、また自社のこれまでの供給不安定の事例の反省から、同種品の供給会社が多く、市場シェアの低いジェネリック医薬品の供給を停止し、そこに掛かる生産・品質管理、サプライチェーン管理、副作用情報の収集・提供などのリソースを、弊社シェアや医療上の必要性が高く、供給問題が医療に与える影響が大きい製品(精神神経科系の製品、ジェネリックの上市会社数が少ない製品)に振り分けることで、確かな製造管理、品質管理を行い、安定供給を果たすことを目的に、供給停止を決断いたしました。
・該当製品及び他製品の代替需要が一層高まり、供給不安の解消のための生産計画体制の見直しが困難な状況となり、今後の安定供給の見込みが立たなくなったため。
③包装単位の一部のみ(ウイークリー包装等)の製造中止品目数
回答社数:28社
【コメント】
製造中止品目数は571品目と前期(678品目)から引き続き多い。製造中止の理由としては「不採算」が45%と前回に引き続き最も多く、次に「需要僅少、他品目の生産性向上」が22%、「同成分規格の統合、他社への承継」が16%であり、「品質問題」は3%と前回(19%)より減少している。
包装単位の一部の製造中止品目数は567品目と、前期(432品目)から増加しており、引き続き供給不安対策として生産効率向上ため包装単位の集約化を進めていると考えられる。