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月刊JGAニュース

パウレックの粉粒体技術で実現する製剤開発と工業化支援  

株式会社パウレック

 創業70周年をむかえた粉粒体装置の総合メーカーである株式会社パウレック(兵庫県伊丹市、代表取締役社長 長谷川 浩司)は、医薬品、食品、電子・電池分野、化成品分野に向けて、4つのキーテクノロジー“ハード” “ソフト” “エンジニアリング” “計装制御”を融合させ、粉粒体技術のワンストップソリューションプロバイダーとして、最適なソリューションをご提供しております。

 当社は、粉粒体技術に関するお客様へのニーズに対応するため、2018年にイノベーションセンター(以下IC)を開設しました。ICには、固形製剤製造工程のほぼすべてを網羅するバッチ装置に加え、原材料供給から混合・造粒・打錠・錠剤コーティングまでをカバーする連続生産装置をテスト機として常備しております。
ICが入る本社外観をFig.1に示します。

 

 ICでは年間800件以上のお客様のテストをお受けし、高度な粉粒体技術を有する当社の研究開発本部の研究員が対応させていただいております。お客様の目標も様々であり、製品品質、生産効率やスケールアップ等のご要求も多岐にわたります。当社の研究員が目標を満たすために処方、前処理方法、そして操作条件など可能な範囲でご提案させていただき、お客様の目標を実現するべく対応させていただいております。最近では製品開発をICで行い、研究サイトとしてご使用されたいというお客様の要望にもお応えするために、装置や分析機器を一定期間貸与させていただく「レンタルラボ」のサービスも承っており、非常に好評です。

 レンタルラボ機器として、数百グラムの少量の原料で造粒からコーティングまでの機器を準備させていただいております。さらには、粉体加工にとどまらず、粉体物性や品質を確認することができる分析機器も準備し、レンタル期間中に条件を最適化するまでの試作が可能です。最近では非破壊測定である近赤外分析装置による分光法を用いたいというご要望もございます。このようなお客様には物性の吸収スペクトルの波長選択や多変量解析技術についてもレクチャーさせていただき、工程管理への適用についてもご検討いただけるよう取り組んでおります。当社ICのレンタルラボの一例をFig.2に示します。

 

 当社ではお客様のテストに留まらず、錠剤の服用性向上に向けたアプリケーション開発もIC内で行っております。
 核粒子に薬物をレイヤリング後にコーティングを行うことや(Fig.3)、原薬にコーティングをすることで、本原薬のマイクロOD錠の製造を行いました(Fig.4)コーティングされた原薬は連続直打法を採用して錠剤試作しました(Fig.4)。原薬にコーティングをすることで原薬の流動性が改善され、直打による製造を可能とし、さらには流動化剤が不要であることから剤形の小型化を実現した事例です。

 

 最後になりますが、当社ではソフトサポートとして、処方開発、スケールアップ検討、操作条件の最適化検討などの粉粒体研究や、電池セミナー、メンテナンスセミナーといったセミナーの開催、全国の都道府県薬務課研究会、日本CMO協会セミナー等各研究機関の研修に加え、ICの設備を使った粉体技術の研修を積極的に行っており、お客様の製品開発・工程改善のイノベーションや若手技術者の育成に貢献しております。

 当社のICおよびレンタルラボをぜひご活用いただければ幸いです。