「アドヒアランス(adherence)」とは、「固守」、「執着」という意味の名詞です。医療現場では「患者が治療方針の決定に賛同し積極的に治療を受ける」ことを意味します。
同じ様な意味を持つ単語として「コンプライアンス(compliance)」があります。コンプライアンスは「従順」、「服従」という意味の名詞です。医療現場では「患者が医療従事者の指示通り治療を受ける」ことを意味します。
アドヒアランスとコンプライアンスのどちらも「治療を受ける」という行為においては同じですが、決定的な違いは、「治療を受ける」という行為に対し患者の意思が関わっているかどうかという点です。
コンプライアンスは医療従事者から患者への一方的な指導関係であるのに対し、アドヒアランスは医療従事者と患者の相互理解を基にした関係です。
患者自身が積極的に参加し、その決定に沿って治療を受けることで、患者が自身の病気を理解し、治療に対しても主体的に関わることになり、より高い治療効果が期待できます。そのため近年ではコンプライアンスという概念よりも、アドヒアランスという考え方が重視されてきています。
<参考>
患者フォローアップ手引き(日本薬剤師会)
https://www.nichiyaku.or.jp/assets/uploads/pharmacy-info/followup_1.1.pdf
日本薬剤師会HP
https://www.nichiyaku.or.jp/pharmacy-info/other/follow-up.html
JGAニュースNo.116(2017年12月号)