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バイオシミラーについて

バイオシミラーについて

 

 一般的な化学合成医薬品は低分子であり、化学合成が可能ですが、バイオ医薬品は分子量が大きく構造が複雑であり、化学合成では製造が困難です。バイオ医薬品と化学合成医薬品を比較するとバイオ医薬品では製造法が化学合成医薬品と大きく異なり、細胞から製造するため製造プロセスのコントロールが難しく、製造コストも高くなってしまうこと、また、構造は分子量が大きいため複雑で、不均一性があることが知られております。従って、安全性/有効性を確認するために多面的な評価が必要とされています。

 

 

 バイオ医薬品はがん領域や自己免疫疾患等難治性の疾患(関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、糖尿病等)への治療効果が期待されており、タンパク質製剤であるため標的分子への特異性が高くオフターゲット効果(意図した標的とは異なる部位への作用に起因する意図しない生物活性)が少ないと考えられています。

 

 

 先述のように、バイオ医薬品は、複雑で完全な同一品を製造することが困難であるため、バイオシミラーでは、先行バイオ医薬品との同等性/同質性を多面的に確認し、安全性、有効性を担保することが必要とされています。

 

 

 バイオシミラーの使用によって、患者の薬剤費負担が削減されるため、より多くの方が治療の早期にバイオ医薬品を使用することができるようになり、バイオ医薬品へのアクセスが改善されます。医療従事者にとっては費用対効果の高い治療の選択肢を提供することが可能になり、このことは国にとっても医療費の削減という恩恵があります。また、バイオシミラーは先行バイオ医薬品に代わる費用対効果が高い代替品として市場の競争を促すことで医療費の削減にも貢献します。

JGAニュースNo184からの転載です