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局方品(日本薬局方収載医薬品)について

局方品(日本薬局方収載医薬品)について

局方品とは

局方品(日本薬局方収載医薬品)とは、日本薬局方に収載されている医薬品を指します。日本薬局方は、本邦における医薬品の品質を適正に確保するために必要な規格・基準及び標準的試験法等を示す公的な規範書であり、明治19年に日本薬局方第1局
(JP1)が公示されました。その後JP9からは5年ごとに全面改正が行われ、学問水準の進歩に対応するためにJP11からは1度の追補改正が、JP12からは2度の追補改正が行われています。

日本薬局方への収載方針

保健医療上重要な医薬品、すなわち有効性及び安全性に優れ、医療上の必要性が高く、国内外で広く使用されているものが対象となります。これらの医薬品の有効性及び安全性の恒常的確保は、規格を定め適正な品質を保証することによりもたらされることから、順次、日本薬局方への収載を進め、全面的収載を目指すこととなっています。

○優先的に新規収載をすべき品目

医療上汎用性があり、かつ必要性が高いと考えられる医薬品(対象患者が多く、医療現場で広く用いられている医薬品等)、優先審査がなされた画期的な医薬品、代替薬が無い医薬品(希少疾病用医薬品等)、米国薬局方(USP)や欧州薬局方(EP)等に収載され、国際的に広く使用されている医薬品が該当します。なお、他の規格集(日本薬局方外医薬品規格、日本薬局方外生薬規格、医薬品添加物規格等)に収載されている品目は、前述の収載方針に照らし、日本薬局方に収載していくこととされています。

○既収載品目

時代の変遷により医療上の必要性が低くなった収載品目については、適宜、削除を行います。また、安全性の問題で回収などの措置がとられた品目については、その都度、削除等の適切な措置を講じます。

局方品に関する製品表示

局方品は直接の容器又は被包へ「日本薬局方」の文字(表示面積が狭い場合は「日局」又は「J・P」の文字)を記載するよう、医薬品医療機器法第50条等に定められています。その他、日局で直接の容器又は直接の被包に記載するよう定められた事項を記載しなければならないと定められています。

局方品の最低薬価

局方品については、医療現場で汎用され医療上の必要性が高いことから、最低薬価
がその他の医薬品よりも高く設定されています。

表 局方品、及びその他の医薬品における最低薬価の一例

区分 日本薬局方収載品 その他の医薬品
錠剤、カプセル剤、丸剤 9.90 円 5.80 円
散剤(細粒剤を含む。)、顆粒剤、末剤 7.40 円 6.40 円
注射剤(100mL 未満) 95 円 58 円

局方品の収載数の推移

明治19年に公示されたJP1への収載数は、468品目でした。その後収載数は増加していき、平成28年公示のJP17では1962品目(JP16から213品目新規収載、15品目削除)が収載されています。

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図 日本薬局方への収載品目数

今回、日局収載品目数推移の根拠として「日本薬局方沿革略記」を参考にしましたが、普段あまり目を通すことのない内容だと思います。日局収載品目数の推移から、日本薬局方の歴史や医薬品の品質確保に尽力した方々の足跡にふれてみるのも面白いかもしれません。一度ご覧になってはいかがでしょうか。


参考
第十七改正日本薬局方

矢花直幸,第十七改正日本薬局方について,薬剤学,76(3),167-171(2016)

JGAニュースNo.112(2017年8月号)

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