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後発医薬品に期待すること

一般社団法人 日本医薬品卸売業連合会

流通改善推進委員会 専門委員

八巻 春男

 私が営業になって後発医薬品を販売したのはかれこれ30数年前になります。協和発酵より発売していましたイノバン注(ドパミン塩酸塩:急性循環不全治療薬)の後発医薬品ドパミネックス注(日本シエーリング 現在は製造中止)が発売になり、MRと連携して担当病院8軒中4軒に納入しました。当時はイノバン注の価格は薬価で納入されており差額はありませんでしたが、薬価差数%引きで納入を図り、当時では薬価差はないほうでしたが4病院とも適応する患者がいるとよく処方されました。しかし、1年後に他メーカーから発売となり相当安い価格が出され継続納入を断念しました。これが私の後発医薬品の思い出です。その後、市場には画期的な新製品が続々と発売となり、病院担当者としては新製品を納入することにより販売実績を大きく伸ばせた時代が相当続きました。しかし、現在はそういう製品が基礎的な医薬品となり、なんども薬価改定により薬価が下がり、効果とは別に評価が下がりましたが市場において重要な位置付けとなっている製品もあります。また、後発医薬品に替わっている製品も多くあります。今回、平成29年度「後発医薬品使用促進ロードマップ検証検討事業(厚生労働省医政局経済課委託事業)」の検討委員になりましたが、幅広い業界から委員が選任されており、また、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社によって報告書が詳細に良くまとめられています。この報告書からアンケートの結果を少し紹介しますと、安定供給に関する状況の中で供給停止の経験があるというのが病院においては41%あります。この供給停止時のメーカーの対応への評価において「評価していない」が40%近くあります。また、後発医薬品の「銘柄切替で負担に感じること」の回答において、病院では「他の後発医薬品を選定するための情報収集、近隣の医療機関・医師への説明、オーダリングシステムへの対応」などがあります。また、薬局においては「患者への説明に負担と感じている」と回答があります。また、後発医薬品メーカーに望むことにおいては、「供給停止をしないこと、品切れが発生しないこと、照会に対して迅速に対応すること、積極的に後発医薬品の品質情報を公開・提供していること」が多く上げられています。多くの各都道府県には、後発医薬品安心使用推進協議会が置かれていますが、協議会の存在の認知状況のアンケートにおいては、医療機関、薬局では「知らない」というのがほとんどですので、この協議会の活用の更なる推進が必要と思われます。まだまだ説明したい事項が多くありますが、重要な内容が色々な角度から数多くまとめられていますので、必読するにあたいすると思います。

 おわりに、医薬品卸の立場から少し意見を述べさせていただきますが、現在の医薬品卸の状況としては医薬品の販売額構成比として後発医薬品がほぼ約 10%です。しかし、倉庫に保管しているスペースの割合は約 50%近くになります。いかにコストが掛かっているかです。この点においては各卸会社ともメーカーの絞り込みを行ったりしていますが、絞り込む際の条件としては様々あり、原薬を製造しているかがキーとなります。また、薬価ダウンなどの影響で採算が合わないと製造中止になり、MSはその代替品の情報や品揃えに労力を費やしています。このようにまだまだ問題は有るかと思いますので、何点か要望事項を書かせて頂きます。包装の同一規格化を全てのメーカーにおいて行って頂ければ棚への保管や配送時の荷作りなど便利になります。また、バーコードなどの表示においても同じ位置に印刷がされれば便利になります。商品名においても工夫して頂き成分名の商品名であるため長く覚えにくい点も改善の余地があるのではと思います。後発医薬品 80%に向けて改善することが多々あり、80%になってからが本来のスタートかと思いますので各会社にはご健闘をお祈り申し上げます。

JGAニュースNo.129(2019年1月号)