高齢者医療制度は、65歳から74歳を対象とする「前期高齢者医療制度」、75歳以上の方及び65歳以上の寝たきり等一定の障害があると認定を受けた方を対象とする「後期高齢者医療制度」の2つの制度で構成されています。
後期高齢者医療制度は、後期高齢者医療広域連合会が保険者として運営を行っており、平成29年度の後期高齢者医療制度被保険者実態調査によると、被保険者数は、およそ1,698万9千人となっております(平成29年9月時点)。
後期高齢者医療制度の創設の背景には、日本の高齢化に伴う医療費の増加が理由の一つとしてあげられます。内閣府の高齢社会白書によると、日本の65歳以上の高齢者人口は3,459万人となり、そのうち後期高齢者は1691万人(総人口に占める割合:13.3%)とデータで示されています(平成28年10月時点)。高齢者人口はこれからも増加し、2025年には「団塊の世代」が75歳を迎えることにより2180万人に到達し、2042年にピークを迎えると推計されています。また平成28年度の国民医療費は41.3兆円となり、そのうち75歳以上の医療費は15.3兆円(構成割合:37.2%)と、全体の3割以上を占めています。
後期高齢者医療制度は、国民全体で高齢者の医療を支えるものとして、老人保健制度から移行し、平成20年4月に創設されました。この制度の導入により、①若人と高齢者の分担ルールを明確化したこと、②保険料を納める所とそれを使う所を高齢者医療広域連合に一元化し、財政・運営責任を明確化したこと等により、都道府県ごとの医療費水準に見合った保険料を高齢者全員で公平に負担することとなりました。
詳細は厚生労働省のページをご参考ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/koukikourei/index.html
(厚生労働省 高齢者医療制度)
1. 高齢者医療制度について
2. 後期高齢者医療の保険料について
3. 医療費の自己負担について
参考
・厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/koukikourei/index.html
・後期高齢者医療制度 被保険者実態調査報告
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450388&tstat=000001044907
・内閣府 高齢社会白書(平成29年版)
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/gaiyou/s1_1.html
・厚労省 「平成28年度 医療費の動向」について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177608.html
JGAニュースNo122からの転載です