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令和4年度(2022年度)診療報酬改定 [後発医薬品関連]

令和4年度(2022年度)診療報酬改定 [後発医薬品関連]

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 令和4年度(2022年度)診療報酬改定では、後発医薬品の更なる使用促進を図る観点から、薬局及び医療機関における後発医薬品の調剤数量割合(以下、後発品置換率)等に応じた評価について見直しが行われました。
 また、バイオ後続品に関して患者さんへの適切な情報提供を推進する観点から、外来化学療法を実施している患者さんに対して、バイオ後続品を導入する際の新たな評価が加わりました。

1.調剤報酬
◆ 後発医薬品調剤体制加算[調剤基本料の加算]
  薬局における後発医薬品調剤体制加算については、後発品置換率の高い薬局に重点を置いた評価になるよう、施設基準における置換率が各加算で5%ずつ引き上げられ、点数が後発医薬品調剤体制加算1で6点、同加算2で6点、同加算3で2点プラスとなりました。

 

◆ 後発医薬品減算[調剤基本料の減算]
 後発品置換率が著しく低い薬局に対する調剤基本料の減算規定について評価が見直され、減算となる点数が2点から5点に引き上げられました。また、対象となる薬局の範囲が後発品置換率40%以下の薬局から50%以下に拡大されました。

 

※1:処方箋の受付回数が1月に600回以下の保険薬局は除外
  当該保険薬局における処方箋受付状況を踏まえ、やむを得ないもの(直近1月間の当該保険薬局における処方箋受付回数のうち、先発医薬品の変更不可の記載がある処方箋の受付回数が50%以上の場合)は除外
※2:経過措置として令和4年9月30日までの間は、後発品置換率40%以下の保険薬局が減算対象地方厚生(支)局長への報告(毎年7月)等を行っていない保険薬局は置換率にかかわらず減算対象

2.診療報酬(医科)
◆ 後発医薬品使用体制加算[入院基本料等加算] 《 病院・有床診療所:入院 》
 後発医薬品使用体制加算については、後発品置換率の高い医療機関に重点を置いた評価になるよう基準が見直され、施設基準における置換率が各加算で5%ずつ引き上げられました。

◆ 外来後発医薬品使用体制加算[処方料加算] 《 診療所:外来(院内処方)》
 外来後発医薬品使用体制加算については、後発品置換率の高い医療機関に重点を置いた評価になるよう基準が見直され、施設基準における置換率が外来後発医薬品使用体制加算1で5%、同加算2で10%、同加算3で5%引き上げられました。

 

◆ 一般名処方加算[処方箋料加算] 《 病院・診療所:外来(院外処方)》
 変更はありません。

 

◆ バイオ後続品導入初期加算
 [外来腫瘍化学療法診療料](新設),[外来化学療法加算](新設),[在宅自己注射指導管理料]
 外来化学療法を実施している患者に対して、バイオ後続品に関する情報を提供したうえで、当該患者の同意を得て、バイオ後続品を導入した際の評価が新設されました。

 

< 参 考 > 
➢  後発品置換率/カットオフ値の計算方法
✓「後発品置換率」は、後発医薬品へ置き換え可能な市場における後発医薬品の調剤数量割合で、後発医薬品への置き換え状況を把握する指標となります。
✓ 「カットオフ値」は、全医薬品市場における後発医薬品へ置き換え可能な市場の数量割合を示します。
✓「数量」は、当該保険医療機関または当該保険薬局において調剤した、薬価基準告示上の規格単位ごとに数えた数量のことを言います。
✓ 医療機関等で保険診療に用いられる医療用医薬品として官報に告示されている(薬価基準に収載されている)品目は約13,000品目あり、各先発医薬品における後発医薬品の有無及び後発医薬品について、以下のように分類されています。

 

✓後発品置換率/カットオフ値の算出で「後発医薬品の規格単位数量」を算出する際に除外する医薬品は、以下のとおりです。

➢ 後発医薬品の出荷停止等を踏まえた診療報酬上の臨時的な取扱いについて
昨今における後発医薬品の供給停止や出荷調整の頻発、代替品入手が困難な状況を踏まえ、一部の医薬品については、後発品置換率を算出する際の対象から除外可能とする旨の通知が、厚生労働省保険局より発出されました。

詳しくは、JGAニュース2022年4月(168号)『厚生労働省からのお知らせ』をご覧ください。
https://www.jga.gr.jp/information/jga-news/2022/168.html

< 参考資料 >

○令和4年度診療報酬改定について : 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00037.html

○個別改定項目について : 令和4年2月9日 中央社会保険医療協議会総会 
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000905284.pdf

○令和4年度診療報酬改定説明会資料等について : 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00008.html

○薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和4年4月1日以降)
https://www.mhlw.go.jp/topics/2022/04/tp20220401-01.html

○後発医薬品の出荷停止等を踏まえた診療報酬上の臨時的な取扱いについて
令和4年3月4日 厚生労働省保険局医療課 事務連絡
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000909154.pdf
診療報酬における加算等の算定対象から除外する品目リスト
https://www.mhlw.go.jp/topics/2022/04/tp20220401-01.html

 

※本記事は皆さまに分かりやすく解説させていただいたものですが、詳細など内容に関してのご質問にはお答えできませんのでご了承くださいますようお願い申し上げます。