新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症の発生及びまん延に備えるため、国又は都道府県及び関係機関の連携協力による病床、外来医療及び医療人材並びに感染症対策物資の確保の強化、保健所や検査等の体制の強化、情報基盤の整備、機動的なワクチン接種の実施、水際対策の実効性の確保等の措置を講ずるため、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律が成立しています。
上記1.(6)物資の確保に記載の通り、医薬品、医療機器、個人防護具等の確保のため、緊急時に国から事業者への生産要請・指示、必要な支援等を行う枠組みが整備されることとなります。
下記の通り感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び医療法の改正により、国が製薬企業等から報告を受け、情報を整理して公表するという仕組みが盛り込まれることとなります。
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)の一部を改正し、『第九章の二 感染症対策物資等』が追加されました。当該第九章の二は、以下の項目で構成されております。
・生産に関する要請等
・輸入に関する要請等
・出荷等に関する要請等
・売渡し、貸付け、輸送又は保管に関する指示等
・財政上の措置等
・報告徴収
・立入検査等
なお、立入検査等に当たって規定の報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は当該項目の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときの罰則規定も追加されております。
また、医療法(昭和二十三年法律第二百五号)の第六条の四の三が改定され、医薬品等について、生産の減少その他の事情によりその供給が不足し、又は不足するおそれがあるため、医療を受ける者の利益が大きく損なわれるおそれがある場合には、国は製造販売の承認を受けた者に対して、当該医薬品等の生産、輸入、販売又は貸付けの状況について報告を求めることができると規定されました。国は当該報告を受けた場合、当該状況に関する情報を公表するものとすると合わせて規定されております。
なお、報告を求められても、これに従わず、若しくは虚偽の報告をした者又は命令に違反した者は、過料に処するとの規定も追加されております。
<参考>
〇厚生労働省第210回国会(令和4年臨時会)提出法律案:
https://www.mhlw.go.jp/content/000999438.pdf
〇第210回国会衆議院厚生労働委員会 第6号令和4年11月4日
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121004260X00620221104¤t=12
JGAニュースNo178からの転載です