NEW!【Factに迫る!】日本の財政の基礎を知ろう!~医療編~(PDF版)
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参考:https://www.jga.gr.jp/policy.html
国民医療費について
皆さん、「国民医療費」とはどのようなものかご存知でしょうか?国民医療費とは、毎年日本において医療にどれくらいの費用が使われたかを示すものです。(医療保険などによる給付のほか、公費負担、患者負担によって支払われた費用の合計)
医療の高度化による診療内容の変化や、1人当たり医療費の高い高齢者の方の増加などを背景に、国民医療費は年々増加を続けています。
2021年11月9日厚生労働省は、令和元年度(2019)の国民医療費について44兆3895億円と発表しました。前年度と比べて9946億円(2.3%)増加し、人口1人当たりでは35万1800円で、8600円(2.5%)の増となりました。
国民医療費の構造
例えば、制度区分別にみると、公費負担医療給付分は3兆2,301億円(構成割合7.3%)、医療保険等給付分は20兆457億円(同45.2%)、後期高齢者医療給付分は15兆6,596億円(同35.3%)、患者等負担分は5兆4,540億円(同12.3%)となっています。
対前年度増減率では、公費負担医療給付分は1.7%の増加、医療保険等給付分は1.6%の増加、後期高齢者医療給付分は4.0%の増加、患者等負担分は0.9%の増加となりました。(上記グラフ赤枠左側 参照)
また、年齢階級別には、0~14 歳は2 兆4,987 億円(構成割合5.6%)、15~44 歳は5 兆2,232億円(同11.8%)、45~64 歳は9 兆6,047 億円(同21.6%)、65 歳以上は27 兆629 億円(同61.0%)となっています。
人口一人当たり国民医療費をみると、65歳未満は19万1,900円、65歳以上は75万4,200円となっています。そのうち医科診療医療費では、65歳未満が12万9,800円、65歳以上が56万4,000円となっています。
(上記グラフ赤枠右側 参照)
都道府県別にみた国民医療費・人口一人当たり国民医療費
都道府県別の人口1人当たり医療費では、高知県が46万3700円で最も高く、最も低かったのは千葉県の30万8500円で、次いで埼玉31万900円、神奈川が31万4100円でした。
最後に
2002年から国がジェネリック医薬品の使用促進による医療費適正化を謳ってきた背景にも、既存の医療保険財政が危機的な状況にある点があります。日本が世界に誇る国民皆保険制度(保険証さえあれば、“いつでも”“誰でも”必要な医療サービスを受けることができる制度)を今後も維持していくために、制度全般(全世代)にわたる総合的な改革が、引き続き、求められています。
ジェネリック医薬品を使用することは個人の医療費負担軽減はもとより、医療費全体の効率化へ大きなムーブメントを起こすキッカケにもなり得ます。
皆さんもできることから始めてみませんか。
“かけがえのない皆保険制度維持のために”
“かけがえのない子供たち次世代のために”
次回の記事では、現在、政府が取り組む「新しい資本主義実現会議」についてご紹介いたします。お楽しみに!
【参考情報】
厚生労働省 令和元(2019)年度 国民医療費の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/19/index.html
財政制度分科会(令和3年11月8日開催)資料
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20211108zaiseia.html
【Factに迫る!】日本の財政の基礎を知ろう!(GE薬協WEBサイト)
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/210928.html
国民皆保険の歴史と窓口負担割合の歴史(日本医師会WEBサイト)
https://www.med.or.jp/people/info/kaifo/history/
世界の医療水準(日本医師会WEBサイト)
https://www.med.or.jp/people/info/kaifo/compare/
なるほど診療報酬(日本医師会WEBサイト)
https://www.med.or.jp/people/what/sh/
各都道府県「後発医薬品の安心使用促進のための協議会」まとめページ(GE薬協WEBサイト)
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/column/conference.html