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【Factに迫る!】『非認知能力』について
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昨年、既寄稿『AI戦略』(2023.7.03)について紹介いたしました。
昨今、生成AIの広がりの中で、AIで代替できない、ヒトの創造性やレジリエンス(ストレス耐性・回復力)などの「非認知能力」が注目されています。
今回、「社会人基礎力と人的資本における非認知能力」と「ビジネスパーソンの非認知能力」について紹介いたします。
①『社会人基礎力と人的資本における非認知能力』
2006年経済産業省は「人生100年時代の社会人基礎力」として3つの能力、12の能力要素を提唱しました。(図1)
(図1)著者作図
引用:経済産業省 「社会人基礎力」2006年
VUCA時代、社員の人的資本や知財等、非財務情報の無形資産の位置付けが高まっています。
特に、IT企業をはじめ多くの欧米企業の企業価値は有形資産では説明できず、無形資産が過半以上であると認識されています。
企業の社員が求められる「非認知能力」として、2023年5月の世界経済フォーラム(WEF)が発表した未来予測リポートでは、「クリエイティブ思考」「分析的思考」「好奇心」「機敏性」等の思考や行動特性が挙げられています。
また、中央教育審議会での幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会においても、大人になって社会的・経済的に成功する上で、学力に代表される「認知能力」に加えて、我慢強くやり遂げるような自制心、実行機能と呼ばれる能力、人と協働できる能力などの「非認知能力」が重要であることが明らかにされています。
AI時代、企業における人的資本である「非認知能力」によって、企業価値を向上できる可能性が高まってきています。
②『ビジネスパーソンの非認知能力』
認知能力と非認知能力について、おおまかに言うと、テストなどの数値で表せるものを「認知能力」、数値で表しにくいものが「非認知能力」となります。(図2)
(図2)著者作図
引用:読売新聞2024年1月25日朝刊
「認知能力」は、読解力や数的思考力などの知識、技能です。ヒトの仕事のうち、AIで代替でき、ヒトを上回るものとされています。
「非認知能力」は、ヒトの創造性や挑戦する力、失敗を恐れない態度などの能力です。AIでは、代替しづらいものです。
ビジネスパーソンの視点からすると、知識、スキルの「認知能力」を土台に、「非認知能力」である創造性やコミニケーションスキルを伸ばすことが大切ではないでしょうか。
また、傾聴力や目標に向かってチームをまとめる組織推進力はマネジメントとしても重要です。
何が起こるか予想しづらいVUCA時代には、レジリエンス(ストレス耐性、回復力)も大切な「非認知能力」であると云えます。
そして、AI時代、これからのエクセレントビジネスパーソンは、知識・スキル等の「認知能力」を土台として積み増しながら、「非認知能力」である創造性、好奇心、柔軟性*などを伸ばし、
「ありたい姿」である未来の価値を創造し、自分らしく生きられる「ウェルビーイング」を
目指すことが大切と考えます。
*既寄稿『人的資本経営(パート2)』「プランドハップンスタンス理論」参照
③最後に
企業の観点からすると社員の「非認知能力」の向上により、自社の「人的資本」を醸成し、戦略的に人的資本経営を実践していくことが大切になります。
これは、企業の存続、企業価値に関わる重要な課題です。
医薬品・医療機器企業はこれから、「非認知能力」を戦略的に活用し、自社を「トランスフォーメーション」し、持続可能(SDGs)な国民皆保険を含めた社会保険制度維持に貢献していくべきと考えます。
2024年3月
文責:ニプロ株式会社 山口博人(日本FP協会会員AFP)
参考情報
〇『ファイナンシャル・ウェルビーイング』:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
〇『イノベーションと無形資産』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
〇『非財務情報可視化』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
〇『2023年ノーベル経済学賞、ノーベル生理学・医学賞』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
〇『リスキリング(鳥の目、虫の目、魚の目)』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
〇『三位一体の労働市場改革』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
〇『女性活躍推進』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
〇『次世代育成支援対策』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
〇『AI戦略』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
〇『PBR革命』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
〇『日本版ジョブ型』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
◯『Society5.0』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
◯『ウェルビーイング・マーケティング』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
◯『サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
◯『インパクト加重会計』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
◯『KPI経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
◯『価値創造経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
◯『ムーンショット経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
◯『人的資本経営(パート3)』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
◯『人的資本経営(パート2)』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
◯『人的資本経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
◯『ウェルビーイング経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
◯『VUCA時代経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
◯『パーパス経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
◯『ESG経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia