【Factに迫る!】『マネジメント 現在・過去・未来(パート2)』について
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前回、『マネジメント 現在・過去・未来』について紹介いたしました。
今回、読者の反響から、続編として『マネジメント 現在・過去・未来(パート2)』について、取り上げます。
『マネジメント 現在・過去・未来』と『ドラッカーのマネジメント』について、紹介いたします。
①『マネジメント 現在・過去・未来』
今回も、ハーバードビジネスレビュー(HBR)の論考から『マネジメント 現在・過去・未来』について紹介いたします。(図1)
(図1)著者作図
引用:ハーバードビジネスレビュー2023年2月号《HBR100年》マネジメントの現在・過去・未来
ハーバードビジネスレビュー2023年2月号《HBR100年》マネジメントの現在・過去・未来では、1922年10月『ハーバードビジネスレビュー(HBR)』第1号から振返り、「経営は進化し続ける-Improving the Practice of Management Then and Now」と題して論考しています。
その中で、HBRは、マネジメントの経営課題のトピックの変化について述べています。
1922年には、原価計算(財務・会計)、労使関係(組織)、在庫管理・大量生産(オペレーション)
2021年では、顧客体験(マーケティング)、オープンイノベーション、価値提案(戦略)と変化してきています。
一見して、マネジメント(経営)が顧客志向にシフトしてきているのが読み取れます。
HBRでは、組織は、より大きく、より多様で、より複雑になっており、さまざまな種類のリーダーシップと経営が求められている、と解釈しています。
マネージャー(経営者)の役割も劇的に変化しています。
日本の少子化問題、一つをとっても、企業の大きな経営課題となっています。
女性活躍推進法も施行されている中でも、いまだ「チャイルドペナルティ」と言われる課題があります。
既寄稿『2023年ノーベル経済学賞、ノーベル生理学・医学賞』(2023.12.01)でゴールディン教授が述べているように、背景にあるのは、日本企業の長時間労働、女性のキャリア喪失、評価・報酬のダウン、男性育休の問題等々が挙げられています。
仮に思考実験として、男性が子供を産めば、組織をどうマネジメントするか を経営者は、真剣に考えてみるのも、一考ではないでしょうか。
「チャイルドペナルティ」一つをとっても、これを克服できる組織は、女性が働きやすく、キャリアを創造でき、男性も働きやすく、「選ばれる企業」として、サステナブルな成長に近づく可能性が高まります。
このように、マネジメントにおいて、さまざまな社会課題に取り組まなければ、「企業の長期的な未来がない」との企業の意識改革が大切です。
まさに、経営マネジメントが、「いつまでも変化できる」進化をしつづけること が、企業のサステナブルな成長、そして企業価値向上へと繋がります。
②『マネジメント 現在・過去・未来』「ドラッカーのマネジメント」
マネジメント(経営)の泰斗であるピーター・ドラッカーのマネジメントについて、今回も、簡潔に振り返りたいと思います。(図2)
(図2)著者作図
引用:ピーター・ドラッカー マネジメント ダイヤモンド社
ドラッカーは、マネジメント能力を向上する、3つのスキルとして、以下を提示しています。
①アセスメント(評価)スキル
②アカウンタビリティ(説明)スキル
③コーチング スキル
①アセスメント(評価)スキル
アセスメントスキルとはメンバーの能力(ポテンシャル)や強み・弱み、仕事における適性、メンバーの置かれている状況を正しく把握し、どうすれば成長できるか、どのように育成していけばよいか、といった育成ポイントなどを的確に把握するスキルのことです。
適材適所もこの範疇に入るかもしれません。
アセスメントスキルを磨き、人的資本である人材を適切に育成していければ、組織のさらなる成長と未来の成果につながる可能性が高まります。
②アカウンタビリティ(説明)スキル
アカウンタビリティスキルとは、指示やアドバイスなどを、具体的に分かりやすく伝えるスキルのことです。マネジメントにおいては、メンバーに、納得できるように、論理的に伝えること、を指します。
ロジカルシンキング・クリティカルシンキングにて、論理的に、またエモーショナル・インテリジェンス* にて、感情的にも、メンバーを動かすスキルを高めることが大切です。
③コーチングスキル
コーチングスキルとは能力(ポテンシャル)を引き出すスキルのことです。
前述のアセスメントスキルは、メンバーの足りない部分や育成すべきポイントを見つけ出すスキルでしたが、コーチングスキルには、メンバーの長所や強みを見つけて、それを活かすことが求められます。
メンバーが持つ、能力や強みを把握し、それを最大限に発揮できるよう導くのが、マネージャーの大きな役割です。
①アセスメントスキル②アカウンタビリティスキル③コーチングスキルにて、
メンバーの成長を促し、組織の成果を上げるためにも、必要なスキルを身に付けて、マネジメント能力を向上させることが、重要であることは云うまでもありません。
マネージャーにとっても、市場価値を高めるチャンスです。
まずは、マネージャーご自身が、マネジメントスキルを磨いて、ご自身の目標に向かって、
強みを活かし、自身のライフサイクルをマネジメントし、自分らしい未来の価値を創造することが大切です。
VUCA時代のエクセレントビジネスパーソンは、いつまでも変化できる「マネジメントの進化」によって、「ありたい姿」である未来の価値を創造し、自分らしい「ウェルビーイング」に近づける可能性が高まります。
*既寄稿『非認知能力』(2024.04.01)参照
③最後に
医薬品・医療機器企業はこれから、「マネジメントの進化」を戦略的に活用し、自社を「トランスフォーメーション」し、持続可能(SDGs)な国民皆保険を含めた社会保険制度維持に貢献していくべきと考えます。
文責:ニプロ株式会社 山口博人(日本FP協会会員AFP)