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【Factに迫る!】『働きがい』について

【Factに迫る!】『働きがい』について
目次

【Factに迫る!】『働きがい』について

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前回、『心理的安全性』について紹介いたしました。
今回も、読者の反響から、マネジメントの土台に関連して、『働きがい』(アサインメント)について、取り上げます。
今回、『マネジメント 現在・過去・未来(働きがい)』において、「働きがい」「IKIGAI」について紹介いたします。

①『マネジメント 現在・過去・未来(働きがい)』

今回、ハーバードビジネスレビュー(HBR)の論考から、「働きがい」について紹介いたします。(図1)

マネジメント 現在・過去・未来(働きがい)

(図1)著者作図
引用:ハーバードビジネスレビュー2025年2月号

 

ハーバードビジネスレビュー2025年2月号特集 従業員体験-働きがいを実感できる環境づくり―において、大手日用品メーカーの花王では、従業員の意欲が低下していることに危機感を持っていた。その原因が個人にあるとは言い切れず、会社が適切な機会を与えてこなかったからだと分析する。

花王の長谷部社長は、変化の乏しい環境に安住することなく、現状に満足せず、みずから打破しようする志を持つ人たちに機会を提供し、そのような人材が活躍できる組織をつくるために、花王という伝統的大企業の変革に取り組んできた。

その中で、人を育てることなどおこがましい、人は育つものである。
土が悪ければよい木が育たないように、企業は成長の土台となる場を設けて、適切な機会を提供する必要がある。
従業員の意欲が低下しているということは、我々がそのような機会を用意できていないということ。花王の人材育成の原点には、良い仕事場が人をつくるという哲学があります。「現状不満足」の人材が大企業病を打ち破る。

社員がワクワクしながら働いた結果として事業が成長し、最終的に会社もよくなる。そう考えると、機会の提供があらゆることの土台になる。としています。

まさに、働きがいを実感できる環境づくりとして、マネジメントの土台の中でもアサインメント(機会の提供)の重要性を表しています。

これらのことから、働きがいを軸にすえたアサインメント(機会の提供)を高めることが、個人や企業のサステナブルな成長、そして持続可能な社会の実現へと繋がることは言うまでもありません。

②『マネジメント 現在・過去・未来(IKIGAI)』

『働きがい』に関連して、「IKIGAI」について紹介します。(図2)

マネジメント 現在・過去・未来(IKIGAI)

(図2)著者作図
  引用: 読売新聞社2025年1月10日朝刊

 

日本人の幸福度は先進国中、最下位で、自己肯定感も低く、働きがいが少ない、等々 様々な課題を抱えています。根本には、幸せに生きる(ウェルビーイング)という発想の不足があります。

そのような状況で、欧州では「IKIGAI」という言葉が、コンサルタント、旅行、出版、ヨガ、心理カウンセラー、化粧品にいたる様々な分野で使われています。
人生の目的や使命を重視する欧州にもかかわらず、「生きがい」が響いています。

スペイン人の作家エクトル・ガルシアさんは著作「IKIGAI」で経済的な成功や地位の追求にとらわれず、自然との触れあいや他人とのつながりを持って豊かに生きることの重要性を訴えています。

一方、昨今のZ世代α世代と呼ばれる若者のTrend Keywordは、「自分史上最高」とのことです。
つまり、他人と比べるのではなく、自分自身と競争、自己肯定、自分史上最高の価値を目指すことです。

欧州での「IKIGAI」や、Z世代α世代の「自分史上最高」は、ビジネスパーソンとして鑑みると、既寄稿『サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)』―プロティアンキャリア-に通じる概念です。

変化が激しいこれからの時代、プロティアンキャリアも意識し、「働きがい」「IKIGAI」を高めた状況で、強みを伸ばしながら、わくわくエキサイティングに仕事ができるビジネスパーソンが増えていくことを期待します。

VUCA時代のエクセレントビジネスパーソンは、「働きがい」「IKIGAI」を高めながら、いつまでも変化できる自分自身をマネジメントし、エキサイティングに、「ありたい姿」である未来の価値を創造し、自分らしい「ウェルビーイング」に近づける可能性が高まります。

既寄稿『サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)』(2023.02.01)
―プロティアンキャリア- 参照
プロティアンキャリア:自分の軸を持ちながら、環境や社会の変化に適応し、自分らしいキャリアを形成していくこと

③最後に

医薬品・医療機器企業はこれから、「働きがい」を軸にしたアサインメントを高め、自社を「トランスフォーメーション」し、持続可能(SDGs)な国民皆保険を含めた社会保険制度維持に貢献していくべきと考えます。

 

2025年2月
文責:ニプロ株式会社 山口博人(日本FP協会会員AFP)
 
 

参考情報

〇『心理的安全性』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/250203.html
〇『社会的インパクト』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/250106.html
〇『マネジメント現在・過去・未来(パート3)』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/241202.html
〇『マネジメント現在・過去・未来(パート2)』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/241101.html
〇『マネジメント 現在・過去・未来』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/241001.html
〇『金融リテラシー』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240902.html
〇『マーケティング・イノベーション』:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240801.html
〇『人材バランスシート』:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240701.html
〇『キャリアオーナーシップ』:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240601.html
〇『レジリエンス』:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240501.html
〇『非認知能力』:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240401.html
〇『ファイナンシャル・ウェルビーイング』:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240304.html
〇『イノベーションと無形資産』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240201.html
〇『非財務情報可視化』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240109.html
〇『2023年ノーベル経済学賞、ノーベル生理学・医学賞』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/231201.html
〇『リスキリング(鳥の目、虫の目、魚の目)』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/231101.html
〇『三位一体の労働市場改革』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/231002.html
〇『女性活躍推進』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/230901.html
〇『次世代育成支援対策』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/230801.html
〇『AI戦略』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/230703.html
〇『PBR革命』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/230601.html
〇『日本版ジョブ型』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/230501.html
〇『Society 5.0』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/230403.html
〇『ウェルビーイング・マーケティング』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/230301.html
〇『サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/230201.html
〇『インパクト加重会計』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/230105.html
〇『KPI経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/221201.html
〇『価値創造経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/221101.html
〇『ムーンショット経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/221003.html
〇『人的資本経営(パート3)』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/220901.html
〇『人的資本経営(パート2)』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/220801.html
〇『人的資本経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/220701.html
〇『ウェルビーイング経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/220601.html
〇『VUCA時代経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/220510.html
〇『パーパス経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/220325.html
〇『ESG経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/220120.html