普段何気なく払っている税金。日本の「おカネ」の問題について考えてみましょう。今回は「財政」と「歳入」「歳出」についてです。
財政について
私たちが健康で豊かな生活を送るために国などが提供する「公共サービス」。そのためのお金を国民みんなが出し合い(税金)、みんなの生活に役立つことに使っていく活動を「財政」といいます。
【公共サービスの例】
国の「歳入」と「歳出」について
国の1年間の支出を「歳出」といい、その内最も大きい割合を占めるのは社会保障の36兆円(34%)で、医療、年金、介護、生活保護、子ども・子育てのための費用などに使われています。
一方、国の1年間の収入を「歳入」といい、税収は約3分の2にとどまり、残りの約3分の1は「新たな借金」で構成されています。
「歳出」が伸び続ける一方、「税収」は1990年度を境に伸び悩み、その差はワニの口のように開いています。そしてその差を国の借金が穴埋めしています。
足もとでは、新型コロナウイルス感染症への対応のために歳出が拡大しています。
毎年借金を続けた結果、国の借金総額は大きく積み上がっています。令和3年度末の国の借金総額は、990兆円に達する見込みです。
また、日本は他国よりも早く高齢化が進んでおり、将来の社会保障の給付に必要な費用は急速に増えていくと見込まれています。
最後に
今の世代が借金をして、自分たちのために支出を行うと、子どもや孫、ひ孫など、将来の世代に重いツケを回すことになります。高齢化が進行する中での給付と負担のバランスについては、引き続き、国民全体で話し合っていくことが必要です。皆さんも社会保障の給付と負担を今後どうしていくか、考えてみましょう。
次回の記事では、財政の中の「医療」についてお話しいたします。
【引用資料】
・財政学習教材:日本の財政を考えよう(財務省、一部改変)
https://www.mof.go.jp/policy/budget/fiscal_condition/related_data/gakusyukyouzair3.6.pdf